千年恋物語～何度生まれ変わっても、また君に恋をする～【R18】

1話 始まりの時

何度生まれ変わっても


また、君に恋をする



何度生まれ変わっても


必ず君を見つけてみせる


そして、現世でもやっぱり君を好きになる



そんな


数千年の時を超えた


恋の物語












昔、昔の神の話。


雨を司る神（雨の君）がいた。

そして、晴れを司る神（晴れの君）と恋に落ちた。


それは、満月の綺麗な夜だった。



それは、まるで決められていたかのように深く惹かれ合い、愛し合っていた。

ところが、晴れの君は病に倒れ、雨の君を残してこの世を去った。


悲しみに暮れる空は、ひたすら雨を降らせこの世を雨で覆いつくしていく。

悲しみに染まった空は、暗く耐えがたい喪失感を雨の君に与えていた。


生きていることに意味を見出せない雨の君は…
晴れの君が残していった言葉を忘れ、後を追う。


ふたりは一つの神殿に祀まつられた。

しかし、この世から晴れと雨が消え去ってしまい、天の神が怒り、ふたりの魂を別々に葬ほうむった。


離れても、惹かれ合うふたつの魂。


運命がふたつの魂を結び引き寄せ合うように、ふたりはまた出逢う。



『月が綺麗ですね。』


また、月の綺麗な夜に…

君と出逢い、恋をする。



何度生まれ変わっても

君を見つけ出すから。