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第六章 【二つの世界】
6-499 再会
しおりを挟む「……私たちにも、挨拶させていただけませんか?」
「あ……」
その姿は、いつも思い出していた若々しい頃のエレーナたちだった。
「久しぶりね……ハルナ」
「エレーナ!元気だった!?」
「ちょっと……この状態で元気だったは無いでしょ!?まぁ、ハルナらしいっていえばそうなんだけど」
陽菜はエレーナの言っている意味がよくわからなかったが、ただ笑顔で頷いてエレーナの再会を喜んだ。
そして、その背後にはハルナと交流を重ねてきた者たちの姿が見える……が、その中に知っていた顔が見えなかったことに疑問を感じた。
「あ、ステイビルさんは?」
「ステイビル様は、また”あの世界”へと戻られたわ」
「え?……”あの世界”って?」
エレーナの説明にピンと来ていないハルナに対し、その助け舟を出したのはマーホンだった。
「エレーナ様がおっしゃっているのは、ついこの前までハルナ様が精霊使いとしていらっしゃった世界のことですよ」
「マーホンさん!」
陽菜は久々に、マーホンと対面し
「……アンタさ、この状態になっても鈍いんだね?これだけ、アタシたちにとって懐かしい人たちがそろっていることをおかしいとは思わないの!?」
「あー……そういえば、そうだね。なんでだろう?」
「はぁ……まったく。まぁ、こっちに来たばっかりだから受け入れられないのはわかるけど、馴染みすぎだね」
その言葉に、自分がこの状況になれるために苦労したエレーナと他の者たちも、小夜の陽菜に対する言葉にうんうんと頷いていた。
「じゃあ、ここってもしかして……」
「そうだよ、もう肉体から解放された世界なんだよ……ここは」
「でも、私たちは特別なんだ」
「特別?……どうして?」
「じゃあさっきのステイビルさんは……」
「もう一回、あの世界に向かっていったのよ。自分には足りないものが多すぎるんだって言ってね」
「ってことは、つい最近まではこっちに行ったってこと?」
「そうね、こっちの世界では時間っていうものを意識することは無いけど、ハルナがこっちに来る少し前に降りていったわ」
エレーナは本当は、ステイビルがなかなか来ないハルナのことを迎えに行ったことを知っている。
だけど、その後だった……陽菜が、向こうの世界での役目を終えて、この世界へとやってきたのは。
久しぶりにみんなの顔をみて嬉しい反面、先程の小夜の説明であることが浮かんできた。
「多分、ここって”死後の世界”……っていうのかな?そうだと思うんだけど、あっちの世界と私たちがいた世界って繋がってるってことなの?」
「ううん……私たちも特別なはからいで、陽菜が元いた世界の空間とつなげてもらうことができたのよ。あるお方にお願いしてね」
「ある……お方?」
エレーナはその言葉に、にっこりと笑顔をむけて次の存在にその説明を託した。
その場にまた、新しい光の塊が浮かび上がってくる。
そしてそに光は小さな光と集約され、陽菜があの世界で最初に見た存在が思い浮かんだ。
『ひさしぶりだね!ハル姉ちゃん!!』
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