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第六章 【二つの世界】
6-412 最後の言葉3
しおりを挟む『どうした、ハルナ?その感情に対して何かあるのか?』
剣の創造者は、ハルナのこれまでの質問に対して誠実に答えてきたつもりだった。だが、ハルナの反応は自分が思っていたほど良い反応ではなかった。そのため、剣の創造者はハルナに対して質問の意図を確認した。
「んー……っと、そうですね。相手の感情を利用することにはなったかもしれないんですけど、剣の創造者さんが好意を盾の創造者さんに持っていらっしゃってればと思ったんですけど。もしも、そうだったとしたら、お互いの誤解から仲が悪かったんじゃないかと思ってたので、その誤解が解消すれば盾の創造者さんも考え直してくれないかな……って」
『うむ……残念だが、そのハルナの案については協力することはできぬ。そもそも、私はハルナが言っている”好意”というものを理解しておらぬ。そのため、あの者ともこの世界を共に創り出したこと以上の関係以外のことは感じてはいない。それにあの者は私の言葉も、自分に意思にそぐわぬ場合には強い敵対心を示していたのだ……だからこそ、私とあの者は理解できな……む?少し待つがいい』
「え?……は、はい」
そこから時間にして、ほんの数秒……剣の創造者は違う場所へと意識を向けていた。
そして、この空間に新たな存在が訪れた。
「……アンタねぇ。結構ずぼらなんだよね、性格がさ」
「サヤちゃん!?」
サヤは今までの話を聞いていたようで、その内容が全く剣の創造者の行動を変えるような内容ではないことを指摘した。その指摘に対しハルナは、過去にも似たようなことをサヤに言われたことを思い出しながら、言い訳にも名ならない言い訳を口にしようと試みた。
「だ……だって!?」
「だっても、くそもないんだよ……もうどうにもできないんだ、引き返すこともできないんだよ。もうすぐコイツの存在は意識がなくなり、ただの資源へと変わっていくんだ」
「え?……そんな!?」
「思い出してみなって、どうしてこんな状況になっているのかさ?……ただコイツはアンタにも興味があったんだよ、ずっと言ってたんだ。アンタと一度話がしたいってね」
「そ、そうなんですか?」
『あぁ、そうだ。とはいえ、興味とは先ほどハルナが言っていたような”好意”の意味ではないぞ?ハルナがどのような考えを持っているのか、あの存在とどのように付き合っていたのかを知りたかっただけなのだ』
「……で、こいつのこと。ハルナのことは、理解できたの?」
『あぁ、実に面白い存在だ。この状況を何とかしようと色々と考えて提案をしてくれていた、あの者の気持ちを考えた上でな。ただ、その提案は私の意向とは会わなかっただけのことで、提案自体は面白いものだったぞ、ハルナよ。きっとその機能が私には備わっていないのだろうな……あの者の方が性能としては上だったということなのかもしれんな』
「そうかい……なら、もう気が済んだか?]」
『あぁ……そうだな。いや、まだ気がかりなことがある』
「まだ何かあるのか!?……ったく、そりゃ一体なんなのよ?」
『それはな……サヤ。お主のことだ』
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