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第六章 【二つの世界】
6-406 説明
しおりを挟む『それは一体……どうすればよろしいのでしょうか?』
「ちょっと待ちなよ……アンタ、今は別々に話せるみたいだからさ、そのまま言わせてもらうけど……本当にいいのか?」
ラファエルは、サヤの言葉に引っ掛かるものを感じる。
自分たちが置かれている危機的な状況を打開できるのであれば、普通に考えるならばその行動を取るべきものだと考える。
先のサヤの言葉は、本来とるべき正しい行動も理解したうえで、何かが引っ掛かっているような発言だとラファエルは気にしている。
それでも、自分には考えが及ばない領域の考えがあるのだろうと、二人の先の言葉を待った。
『……あぁ。問題ない、これ以上の時間は掛けることは出来ない。それに、後のことは……任せてもいいのだろう?』
「……」
剣の創造者の言葉には、サヤは反応を示さない。
きっと二人には、何か重大な決定を迫られているのだということは薄々ラファエルも感付いている。
しかし、ラファエルには今この状況の中で話を先に進めるように促すことはできない。
その内容は、ラファエル自身には責任を取ることができないレベルの決断を迫られているであろうため、迂闊に判断を急がせることはこの先の失敗にもつながって危険だと判断しこの状況を見守ることに決めた。
しかし、その気遣いを無にするように、もう一人の存在がこの状況を前に進めた。
「ねぇ、サヤちゃん。私も手伝うよ?剣の創造者さんがここを出る方法を知っているなら、一緒にやろうよ?」
「ハルナ、アンタ……!?」
『サヤよ、ハルナの言う通りだ。”これ”しか今は方法がない……時間を掛ければアノ者は、この世界の生物を消していく。それはお前やハルナが望むことではないだろう?我々は協力をし、この場の切り抜け、この世界を救わなければならない。やるべきことの順番を誤るな、サヤよ』
ハルナは自分が頭の中に描いている解決策と、いまのこの二人の反応から距離が開いていることを感じる。だが、一刻も早くサヤを説得し、ハルナが知るエレーナやステイビルたちを助けに行かなければと意識を前に向ける。
「……?そ、そうよサヤちゃん。私も剣の創造者さんの言うことが正しいと思うの。早くみんなを助けに行かないと、大変なことになっちゃうでしょ!?」
その言葉によって、サヤの中で怒りの感情が高まっていくのを周囲にいる者は感じる。
ハルナもそれはわかっているが、なぜサヤが剣の創造者からの提案を拒んでいるかがわかっていなかった。
その状況を傍観できなくなったラファエルが、詫びの言葉を伝えてこの場に発言をする許しを請う。
『申し訳ございません……力のないわたくしがこの場に口を挟むことをお許しください』
『よい、話してみるがいい』
ラファエルからの言葉に、ホッとした剣の創造者にこの状況での発言を許す名目で助けを求めた。
「ハルナ様は、この状況を脱する方法について、よくご理解されていないご様子。今一度、お二人が置か眼絵になられている方法を、皆で共有させた方がよろしいかと……」
『そうだな……ハルナ。では説明しよう、この場をどうすれば切り抜けることができるか……を』
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