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第六章 【二つの世界】
6-381 食堂での会話
しおりを挟む「おはようございます、サヤ様」
「あぁ、おはよう……ヴェスティーユ。よく寝れたかい?」
「はい、おかげさまで。今日はどんなことが起きるのかとドキドキしていましたが、いつの間にか寝てたんですよね?」
「いいねぇ、その神経の図太さ。アタシだったらきっと、一睡もできなかっただろうけどね」
「そんなこと……いえ、サヤ様は本当は繊細なお方ですものね!」
その言葉に、サヤの眉間にしわが寄る。
ヴェスティーユたちは、サヤを褒めると機嫌が悪くなることを知っている。
本当はもっと、自分の主の素晴らしいことをもっともっと称賛したいのだが、それを許しては貰えず小出しにして自分たちの感情を満足させていた。
そして、この程度であればサヤの感情も長続きしないことを知っているため、いつもの通りに他の話題に切り替えることによってサヤの感情をそらすことにした。
「……えっと。それで、もうお食事の用意ができておりますよ?こちらでお召し上がりになりますか?」
「……いいよ、食堂へ行こう」
「かしこまりました、ではヴァスティーユにお着換えの支度をさせますね」
「ふぁぁあ……あぁ、頼むよ」
サヤは大きな欠伸を一つした後に、着替えの用意をお願いしてベットの縁に腰かけて足を下ろした。
その後、ヴェスティーユがサヤの着替えを行い、身支度を整えてから食堂へと主の後ろについていく。
食堂の前へ着くと、そこにはこの屋敷のメイドであるメイヤが二人を待っていた。
ヴァスティーユが先にサヤが起きたことを伝え、その準備をしてくれていた。
「サヤ様、おはようございます」
「あぁ、おはよう。コイツら、アンタたちの邪魔してない?」
「いいえ、お二人とも流石ですわ。やはり王宮内で教育を受け、サヤ様の専属に選ばれただけのことはありますわね」
「そうかい?そう言ってもらえると……いや、アンタに認めてもらえるならあいつらもきっと喜ぶだろうよ」
その言葉に笑顔で返し、後ろを向き食堂への扉を開けて振り返る。
「では、お食事のご用意ができておりますので、どうぞお入りくださいませ」
そう言ってマイヤは、食堂の入口を開け、サヤに中に入ることを促した。サヤもそのまま、マイヤに促されるままに食堂へと足を進めていく。
中には、食事を終えたアーテリアが椅子に座っており、サヤの席もその近くに用意されていた。
アーテリアとサヤは挨拶を交わし、サヤは用意された席に着いた。
席に着いたことを確認すると、ヴァスティーユとヴェスティーユが食事を運び、サヤの前に並べていく。
サヤの食事が始まると、アーテリアはサヤの食事が終るまで席を外した。
タイミングを見計らいアーテリアが戻ってくると、向き合った二つの席にお茶が用意されていた。
アーテリアは用意された席に座りその後ろにはメイヤが、サヤの背後にはヴァスティーユが立った。
「……昨日は申し訳ございませんでした」
「あぁ、問題ないよ。”そういうこと”は起こると思ってたから……さ」
昨日は、研修施設で始まりの場所へ行く者たちの発表があった。その後、ヴァスティーユとヴェスティーユが、合流することが発表された。
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