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第六章 【二つの世界】
6-364 サヤとハルナと16
しおりを挟むとはいえ、サヤもここからどうするべきか迷っていた。
狙った通りに、盾の創造者には強い動揺を与えることができた。
だが、ハルナの身体を解放できる事実が分かったとしても、盾の創造者がそう簡単にハルナから離れようと考えてくれるとは限らない。
本当はこの事実を伝える際に、その対応も用意して置きたかったが時間が足りなかった。
ここから先は、相手の様子を見ながら考えていくしかないと思っていた。
その時……
『……く……くふふふふ……』
盾の創造者は、視線をサヤに固定をしたままその口元から笑いが漏れ出した。
「……?」
その様子を見守りながらサヤは、突きつけた剣の高さを維持したまま相手の言葉を待つ。
『でも、結局何も変わってないってことではなくって?この状況は。それにその剣はどうやら私を本当に傷付けることができるようだけど……いいの?本当に』
その推測が間違っていないことにサヤ気付く、そしてそれはまさに最初に心配していたことだった。
これこそがいくら思考をくりかえしても、どうしてもこの状況を抜け出す案を見付けられず、ハルナの身体の外へと追い出すことができなかった。
だが。いまのルートは自分が用意をしていた最悪なルートをたどっている。
どうするべきかの判断に迷っている中、相手の方が先に手を打ってきた、
「――なっ!?」
サヤの目の前が、一瞬にして暗闇の中に閉じ込められた。
別な空間へ移動させられたのかとも思ったが、その考えは否定した。
それは一瞬とはいえ、何かに囲まれていくような感じで暗闇の中へと移動させられていた。
その判断は正しいと証明された……それは、サヤの耳が狭い空間の中にいるような感覚を感じたからだった。
剣の柄を握ったまま手のひらを前に突き出すと、肘が伸びきる前に硬い磨かれた石のような感触が伝わってくる。
(まさか……閉じ込められた!?)
手掌から伝わってくる壁の形と範囲は、剣の創造者が不思議な力で守られている範囲だけの隙間が空いていると気付いた。しかもその壁が創られた素材は、ダイヤモンドのようなかなり硬度の高い物質であると感じられた。辛うじてある隙間を利用して、剣の柄を何度か壁に叩き付ける……だが、その結果は望んだものは得られることはなかった。
しかし、サヤに焦った様子は見られない。そのため、剣の創造者もただサヤの行動を見守っていただけだった。
「……しっかし時間もないし、やるしかないか」
そう言って、サヤは自分の周りの空間を別な空間へと取り込んだ。
「……ふぅ」
サヤは再び外気と触れると、肺の中に溜まった使い古した空気を吐き出して新鮮な空気を数回の呼吸で、目一杯取り込んでいく。
あの仕打ちは、サヤを閉じ込めることと密封された空間の中で窒息を狙ったものだと気付いた。
「の……やろう」
そう言って手にした剣を握り直し辺りを見回す、だがすでにそこには盾の創造者の姿は無かった。
(どうするのだサヤ?逃げてしまったぞ!)
「大丈夫だよ……どこに行ったか目星はついてるからさ」
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