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第六章 【二つの世界】

6-353 サヤとハルナと5

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「気持ち悪いね……何でここで笑えるんだ?」


『なる……ほど。そうでしたか……』



盾の創造者は身体に力を込めて、その場に起き上がった。
四つん這いになっていた際に、衣服に付いてしまった土を手で振り払うことなく。
その盾の創造者の様子を見たサヤは、先ほどまでとは異なる空気を感じ、再び警戒度そ最高値まで引き上げた。


再びサヤに顔を向けると、そこには先ほどまでとは違う表情がそこに浮かんでいた。






「……なに?まだ、何か……」



サヤが背中の剣に手をかけても、盾の創造者は先ほどとは違う反応を返してくる。
何度も同じことを繰り返してしまったために、慣れてしまったのではないかと感じた。
サヤは、剣を引き抜こうとしたが盾の創造者からの言葉でその行動を止めてしまった。



『まぁ、あなたの推測は……半分はハズレで半分はアタリってとこかしらね』



「……?」


盾の創造者の先ほど違う態度に、今までの行為が失敗したと判断した。
それは、盾の創造者に余計な情報を与えてしまったという気持ちがサヤの心の中をさらに不快にしていった。


「で、何が違うのか……もちろん、その”答え”も教えてもらえるんだろ?」


『仕方がありませんね……”特別”に教えて差し上げましょう』


サヤの悔しそうな言葉に対し、盾の創造者は立場が逆転したような雰囲気を出してサヤの疑問に答える。


『私が”ハルナの協力を得やすくするためにここへやってきた”っというのは、正解のほうですわね』


「それじゃあ、その”もう半分”っていうのは?」


『それは、アナタのことですわ……?』


「アタシの?……まさか、アタシの弱点を見つけようとしたってこと?そりゃ残念だったね。アタシには、この世界での繋がりも何もないからね。フユミさんにしたって、ハルナ程仲が良かったわけでもないし……反対に嫌われていただろうよ」

『本当に……そうなのかしら?』


「……」


その言葉に返答せず、サヤは盾の創造者が何を自分に告げようとしているのかを待った。
それと同時に、それが”何か”という正体はわからないが、探し当てて欲しくないという感情が心の中で痛みとなって現れた。


『サヤ……確かアナタにはずっと手下にしていた者たちがいましたね?……確か姉妹の……』


「ふん!?……残念だけどあの二人は、もうこの世にいないし、別に復活させなくてもいいんだよ。そんなんじゃ全くアタシの弱点にもなりゃしないよ!」


『ふふふふ……そうかしらね?』


「なんだよ、その気持ち悪い笑いは?」


『ごめんなさい?……でも、こっちの世界にはなくてもアッチの世界はどうかしら?』


「っ!?……お前ぇ!!」


『あらあら!その反応は、どうやらアタリだったみたいね!やっぱり向こうには、どの存在かわからないけど”いる”みたいね?誰かしら……ステイビル?エレーナ?それとも他の方かしら?』


盾の創造者の言葉に、サヤは怒りと焦りを感じる。それと同時に、背中にかけていた剣を勢いよく抜き、両手で使を握りしめて盾の創造者を睨みつけた。









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