問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』

山口 犬

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第五章 【魔神】

5-26 楽ではない道程

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「うわっ、ちょっと!今日は強くない、この臭い!?……鼻が曲がりそう!!」


「確か……硫黄ですかね?」


「イオウ……っていうんですか?これ?」


サナの問いにハルナは自分がいた世界では、温泉街の近くで同じ臭いがすることがあると伝えた。
その近くには火山が近くにあり、そこから噴き出るガスがこのような臭いであると、詳しくはないが自分の知っている知識の範囲で説明をする。

そこからも、火に関する神が近くにいるのではないかという思いがさらに強くなった。




ステイビルたちは、数日前からこの場所を進むための策を練るために、何度かこの場所を訪れていた。
それは、この地域一帯を通過するための方法を探るためだった。

最初は基本的な策として、ここに勤めている作業員たちが行っている方法をとる。
布を水で濡らし、口と鼻を覆ってガスを吸い込まないようにする方法を試した。
実績のある方法として息苦しさがあり、快適とまでは言えないがある程度の作業は可能だった。
布を片手で抑えながら試していたが、長い布などによって結ぶことにより、手は不自由なく使えるようになった。
だが、この方法で活動できる時間は三十分程が限界だった。

原因として濡らした布に付着するガスの量がある一定の量に達すると、その効果が失われてしまうようだった。


次に、別な方法を試してみる。
フウカやヴィーネの、精霊への影響を試してみることにした。
精霊が何者かに襲われてしまわないよう、周囲に気を配りつつ行われた。
その結果、精霊に対しては人間ほど害はなく、ガスを防御する方法をとらずとも活動はできた。
人が酸素で呼吸をして活動することに対し、精霊は空気中に存在する元素を取り込んでいる。
その元素は自分が持つ属性でなくとも問題はないが、通常の空気中とはことなり、この場所のガスに含まれる元素は日の元素が強いと二人の精霊はそろって”気持ちが悪い”と言っていた。
当然つながりを持つハルナとエレーナにも、その感覚が共有されその気持ち悪さが伝わってきていた。


そして次に精霊の力を使って、ガスを排除すれば布を口に当てた状況と焦れば活動時間が稼げると踏んだ。
最初にガスが水にしみ込むという性質が強いという可能性から、水の力を使って周囲のガスの濃度を下げること試してみる。
無害の場所から雨のように周囲を濡らしていく、そうすると今までも楽に奥に向かって進むことができた。
だが、それも最初のうちだけだった。
奥に進むにつれてガスの濃度は増していき、水の元素も少なくなっていく。
そのため、水によってガスを緩和する方法がとれなくなっていった。
さらには、周囲の温度が水蒸気となり上昇していき、蒸し暑さによって人体に影響が出てきた。


次に風の力によって、周囲のガスを飛ばすことを行った。
すると、入口付近ではその効果は表れたが、水の力と同様に奥に進むにつれて、風の元素が少なくなり風を起こすことが難しくなってくる。
もう一つの手として、大きな風で周囲一帯のガスを吹き飛ばしてみるという案が挙がった。
だが、それによって吹き飛ばされたガスが、町や周囲の閉胸へ及ぼす危険性を考慮すると、行うべきではないと結論に至った。


そして、ハルナたちの周りの空気を固め、気圧を高めることでその区域内へのガスの流入を抑えることに成功する。
ただ、その空間内の酸素の量は変わらないため、フウカがガスの濃度の薄い上空から下へ風を吹きおろし空気の入れ替えをおこなった。
精霊への危険や空間の維持と空気の入れかえの作業に、精密さと大きな力が必要とされるためハルナの負担は大きなものとなる。


二人の状況を見て、ソルベティは手助けできることがなく、その力のなさに不甲斐なく思っていた。
そのことに対しステイビルは、気に病む必要はないと告げた。
そもそもこの王選は自分たちのことであり、ソルベティはいわば無関係の者だった。
その気持ちだけ受け取っておくことと、ソルベティの立場を守るためにも行動の外から支援してほしいとお願いした。
具体的には、もし万が一にこの地域に入り戻ってこれなかった場合は、そのことを王都に伝えて欲しいといった。
その際に、ステイビル直筆の書簡を渡して、そのことが真実であることも証明した。



いよいよ、方法と準備が整いガス発生地帯に挑む日が訪れた。。










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