問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』

山口 犬

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第三章  【王国史】

3-233 東の王国37

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翌日の早朝、四人は村を出た。


エイミとセイラは、村長が行くのかと思っていたが、委任状を渡されて二人に行かせることにした。
村長の決定に抵抗したが、”そろそろお前たちも村のために働きなさい!”と言われ、その言葉に従うことになった。



「……わたし達だってちゃんと村のことを考えてるっていうのよ!!」

「……そうよ!言われたことだってやってるし、村から上がってくるお父様に言えないことも相談の窓口としてもやってるのに!!」



二人はエンテリアたちの村へ向かい、村を出た森の中に入ったとたんに今までの鬱憤を晴らし始めた。
中には村の運営に関係のない、プライベートな内容まで耳にした。
エンテリアもブランビートも、自分たちが聞いていいのか判らない二人の愚痴に近い内容をいつまでも否定することなく二人に付き合った。

第三者から見れば二人の愚痴も、しっかりとした家族の愛情が感じられるようなものばかりだった。
”親の心子知らず”の言葉が当てはまるかどうかは判らないが、自分たちの家とは違う愛情を端々に感じ先日の夜のもてなしてくれた二人の両親の暖かさの根底にあるものをみた。


道中、そんな話をしながら進んで行く。
そして、日が落ちる前に目的の村に到着することができた。

入り口には木の板と杭で作られた壁があり、左右に門番が槍を持って立っている。


「エンテリア様!ブランビート様!」


その姿見つけた村の入り口に立っていた者が、ブランビートたちに声を掛ける。
その者たちに近付いて行き報告をする、その間二人いた警備の一人はずっと後ろにいる女性の姿に警戒する。
視線に気付いていたブランビートは、エンテリアが簡単な報告を終えると後ろの女性を紹介した。


「こちらは先ほど伝えた隣の村で協力をしてくれた女性です。今回その村の代表として、同行していただいております」


「そうですか……判りました。お通り下さい」





不審そうな目で見られながら、エイミとセイラは門番の二人の間をブランビートの後ろを追って通り抜けていく。

そこには村だが、ある規則に従って配置された建物が並んでいる。
建物は通り抜けた壁からは少し離れた場所にあり、その配置は魔物などが襲ってきた場合の対策であると思われる。




「ふぇー……」


「す、すごい……」



思わずそんな声が漏れてしまい、初めて見る新しい場所に二人は歩みを止めてしまった。

女性たちが驚く姿をみて、エンテリアもブランビートも心の中でガッツポーズをする。
自慢の村に驚いてくれたことが、何よりもうれしかった。

エイミたちの村はのどかでゆったりした感じも、二人のエンテリアたちは気に入っていた。
自分の村はその反対で、規律正しく整った機能性重視の村ともいえるみだった。

村長の家はその村の中心部にあり、見通すことがこの場所から見通すことができる。
四人は村長の家に向かって歩いて行く、途中すれ違う男性の幾人かはエンテリアたちの姿を見ると頭を下げて通り過ぎるのを待っていた。


その光景に、エイミは驚きよりも息苦しさを感じてしまう程だった。


(村が違うと……こうも違うのね)




――!!!


そんな感想を持ちながら村を見渡して歩いていると、エイミの前を歩くエンテリアの歩みが止まりその背中にぶつかった。


「ごめんなさい、よそ見してて気付いていませんでした!?」

「い……いえ、大丈夫です!?」


動揺するエンテリアは、背中に柔らかいモノが当たるのを感じた。
その”正体”を推測し、エイミと向かい合った時にその”正体”に目線がいかない様に必死に視線をエイミの鼻に固定した。




すると、その後ろから扉が開く音がした。



「おかえりなさいませ、エンテリア様、ブランビート様……村長がお待ちです」



綺麗な服を着た、美しい女性が二人の男性を出迎える。
エイミとセイラは、その美しさと自分の村にはいない人材に驚きの色が隠せない。





「それでは、まず我々は村長に報告をしてきます。後でお呼びしますので、お二人は部屋でお待ちください……お二人をお願いします」

「……畏まりました。どうぞこちらへ」




美しい女性は、エイミとセイラを誘導し客室へ案内する。



「あのぉ……すみません」


廊下を歩いている途中、セイラは前を行く女性に話しかける。


「何でしょう?」

「ご家族の方なのですか?妹さんがいらっしゃるとお伺いしてましたが……」



セイラは、ブランビートたちが村に来るきっかけとなった妹の話を思い出した。
目の前の美しい女性がそうだとすると……セイラは”自分では太刀打ちできないのではと”。
いや、妹だからそういう対象ではないのは判っていたが、何ともやりきれない気持ちになり思わず質問してしまった。



「わたしは、この家のお手伝いとして働いておりますメイドです。レビュア様はいらっしゃいますが、今はご病気で療養中でございます」

「そ……そうですか」



その言葉の中に、何かとげとげしいもの……冷たすぎる感情がセイラのホッとした心にチクチクと突き刺さった。






そして、エイミたちは客室に通され出されたお茶を口にする。
立派な部屋の中で、自分たちがエンテリアとブランビートに出した食事が恥ずかしくなった。



――コンコン


恥ずかしいことをさらに思い出す前に、ドアがノックされ先ほどのメイドが入ってきた。



「村長がお会いしたいとのことです……ご案内いたしますのでこちらへ」





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