問題が発生したため【人生】を強制終了します。 → 『精霊使いで再起動しました。』

山口 犬

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第三章  【王国史】

3-74 抗戦

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ブンデルが照らす明かりは、急勾配の崖と黒い闇を映す。


登り始めて半分を過ぎたころ、ハルナに疲れも見えてきた。





「ハルナさん、大丈夫ですか?」


「え、えぇ。何とか」





ハルナは、上から引っ張り上げてもらっているが、怪我の影響もあり疲れが表面に出てきた。
ソフィーネもハルナを支える手に、重さがかかってきているのでその疲れを把握していた。



しかし、ソフィーネ自身もずっと捕らえられていたこともあり、万全な状態ではなかった。


だが、”ハルナを落としてしまっては……”と、必死に頑張っていた。
あの時の屈辱をバネにして。





そこからさらに、上に登ったところでロープの引き上げが止まった。



「ん?どうしたのでしょう」




先を行くブンデルが、不思議そうな声を出す。





――ズッ!!!





「キャァッ!」





ハルナたちは急に上からのけん引が緩み、数メートルほど滑落した。



「ぐっ!!」



ソフィーネが踏ん張り、その勢いを止めた。
が、身体の中から何かがちぎれる音が響いていた。



「す、すいませんソフィーネさん!?大丈夫ですか!?」



「だ、大丈夫です。それよりも何が……」







ロープからは、小刻みに振動が伝わってくる。



「……これは、上で何かあったみたいです」



「ブンデルさん、先に行って様子を見てきてもらえませんが?私たちは自力で上に向かいます」



「わかりました、また終わりましたら戻ってきますのでお気をつけて」






そういうとブンデルは、明かりをハルナの前に置いてもう一つ明かりを出して駆けあがっていった。







「大丈夫ですか?ここで、少し休んだ方が……」



「大丈夫です。ここにいて狙われると危険ですから、進んで行きましょう」




そういうと、ソフィーネはハルナの前に行きロープを掴んで持ち上げながら上っていった。
















――ガギン!!




「くっ!」



アルベルトはハンドソードを両手に構えて、相手の攻撃を弾く。
だが、剣とハンマーでは重さが違いまともにやり合っては剣が持たないのは目に見えていた。



しかも相手は、ステイビル、アルベルト、エレーナにそれぞれ二体ずつで襲ってくる。



エレーナは、その相手に対して攻撃された理由もわからないためになるべく傷つけない様に水の盾で防いでいた。






「ちょっと、あなたたち何なんですか!?一体何の理由があって……」


「うるさい!先に攻撃をしてきたのはお前たちだろうが……問答無用!」




相手は、ハンドアックスと両手持ちのロングアックスのペアだが、振り回す軌道が読みやすく軽々と水の盾で防ぐことが出来た。




「エレン、大丈夫か!?」


「えぇ、これくらいなら何とか」




アルベルトは自分の相手をひるませてから、エレーナの傍に駆け寄り無事を確認する。
そこにステイビルも背中を合わせ、三人が一か所に集まった。


これを相手はチャンスと思い、三人を取り囲む。



ステイビルたちは、襲撃時穴のハルナに影響がないようにすぐに穴の傍を離れた。
運よく襲撃者はそのことには気付かず、離れるステイビルたちを追いかけた。






ステイビルは、囲まれてしまったがまだ話しあいの余地があるか探るため、もう一度声を掛けた。





「なぜあなた方は私たちを襲うのでしょうか?我々に失礼があればお詫びをする。その理由を聞かせてもらえないだろうか?」




するとステイビルの前にいた、この作戦の隊長のような人物が前に出て応えた。





「……何故かだと?我々の貯水設備を破壊したのは、お前たちだろう?その原因を調査していた時にお前たちがいたことと、そこの精霊使いは水なのだろう?この場所で水が逆流することなど、自然の力ではありえん。そいつがやったことは明白だろう!」





「ちょっと待って欲しい……我々は下の村から水がでなくなったことで、水脈を調査していただけなのだ」




「うるさい!この前も一人の人間が、入り込んできて勝手に我らの土地に入り込んだ……人間はなんて身勝手な生き物なのだ」





「人間?まさか、ソフィーネが……」



「その者の名前など知らん。知ったところで、どうにでもなるわけでもないからな。だが、抵抗むなしく我らに捕えられている。いま、処分の方法を検討中だ」




「処分だと?」




その言葉に怒りを覚えるステイビル。
降ろしていた剣を再び構え、その者の前で対峙する。



「その話し、もう少し詳しく聞かせてもらおうか」





「ふん。この状態でまだ強がるか、その意気込みだけは認めてやろう……行くぞ!」





再び両社の攻防が始まろうとしたその時、この場にもう一人加わった。




「あ、ドワーフ!!」




ブンデルはエルフの天敵と遭遇し、思わず声を挙げてしまう。




この場の視線は。一斉にブンデルに注がれた。





「……お前、エルフか!?」




隊長のドワーフが、ブンデルをにらむ。



「……そうか、お前たち……組んでたんだな?おい!あいつを捕まえろ!!」




その命令にしたがって、二人のドワーフがブンデルに襲いかかる。


ブンデルは振り向いて、走って逃げだした。



そして、出てきた穴に入り込みその姿を隠した。






「おい、何だこの穴は?」


「このロープ……怪しいぞ」



もう一人のドワーフがロープを手に取り引っ張る。
そしてついに引き上げる感触を探り当てた。





「マズい!このロープを切れ!」



ザン!!




もう一人のドワーフが斧を振りかぶり、そのままロープを切り落とした。







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