森の魔女の身代わり婚

「春の式典までの間、私の婚約者の身代わりとして王子妃になっていただきたい」

エルザは、かつて“魔女”と呼ばれ引きこもり&姓を捨て没落した元辺境伯令嬢。半年前、異母姉ハンナ第一王子妃が弑逆未遂を理由に処刑され、そして今、仕事も失った。
そんなところに舞い込んだ新たな仕事は、非の打ち所がないのに致命的に頭が悪く“ぼんくら”と有名なシャルフ第四王子の妃――の身代わり。報酬は金貨三百枚、契約期間は二月、衣食住は最上級にて保証、ただし王子妃として命の危険アリ。
しかし、愛する異母姉のため、命に代えてもその汚名を雪いでやる。そう決意したエルザは、シャルフ王子の婚約者を引き受けた。……ぼんくら王子の度を越えた甘ったるい演技とその本性は、少々の誤算だが。
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