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黄金週間

第526話:準備完了しました

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 さぁ!各部屋戦闘準備するぞ!

 まずはペット部屋。
 おそらく運営的には「ペットが可哀想なので、不参加で良いです」となると思ったのだろう。
 残念。うちには鉄壁の守護神、ペット大好きムンドが居た。

 部屋の8割を占める大きさに円を作ったムンドは、扉の真ん前に顔が来るようにしている。
 これ、扉開けた瞬間、【sechs(ゼクス)】で1番長身のユズコよりも大きいムンドの顔が目の前に有るわけだな。

 その円の中には、最弱魔獣モンスターの属性オコジョがいる。
 レイのライダーズや、オーべの仮装隊も勿論参加している。
 うちのカラフル兎も全員集合だ。
 万が一に備え、ムンドの内側に咲樹が結界を張った。一部だけ悪意の無い者が出入り出来るようになっている。

 いや、この結界を出入口無しにして、魔王城に張ったらイベント終了まで楽じゃないか?
「ヴィンは、イベントを意図的に妨害したとして、アカウント停止されたいのかなぁ?」
 オーべに怒られた。
「皆で楽しむお祭りみたいなものですからね。思い付いたとしても、暗黙の了解でやらないのですよ」
 レイにも笑顔で諭された。


 輪になったムンドの中にペット達と、テラとプーリが入る。
 オパールはムンドの頭の上だ。なぜ?
<お世話になるので、ムンドが淋しく無いように話し相手を>
 そうですか。ありがとうございます?

<ワタクシはあるじ様と戦う使命がございますのでご一緒できませんが、うちの子達もよろしくお願いいたします>
 ハナサンは、相変わらず肩が凝りそうな話し方だな。因みにこの主様はオーべの事である。念の為。

<ムンドはここにいるのだね~。一緒に溶岩に浸かるのかと期待していたのだよ~>
 ピリリとムンドが揃ったら、それこそ一人も魔王の間にたどり着けないだろうが。
 ハナサンとピリリだけでも微妙なのに。
 そういえば、ハナサンは強いのか?水を撒くのが得意で、魔物果物の世話をよくしているのは知っているが、他人ひとさまペットなので戦闘を見た事が無い。

「私達、居なくても良い気がしてきたわ」
 咲樹がピリリとハナサンを見る。
 火蜥蜴とリヴァイアサンだしな。しかも両方変異種。
 従魔ではなくて、ペットなのだよな。
 爬虫類だからと欲しがっただけのオーべは、勝ち組になるのだろうか?



 悪友達はそれぞれの担当場所でスタンバイした。多分。
 時間ギリギリまで遊ぶ!と、ペットの部屋モンスターハウスにジルドとレイが居たが、大人なのだから自分の役割を放棄はしないだろう。

 咲樹は革ベルトで出来てるのか?ときたくなるような戦闘服を着て奥の部屋へ。
 運営からNG出てないから、大丈夫なのだろう。
 だがTバックはNGだったらしい。半分隠れている。胸はほぼ丸出しなのに良いのか。
 基準が謎だな。

 オーべの担当は、魔王の間へ続く階段のある部屋になる。タダムネはここで戦闘に参加だ。
 俺はピリリが溶岩沼を設置する前に階段を上がった。
 途中でリルが俺の服のフードを咥え、ガルムの背中にぶん投げたけどな!
 どこぞの神社ですか?という程階段が長かったのだ。


 部屋の中は、扉から玉座まで、金の縁どりのあるレッドカーペットが敷かれていた。
 大規模戦闘を予想しているのか、ペット部屋にした部屋よりも広い。
 一応、ラスボスだからな、魔王おれ

 でも俺は玉座には座らず、部屋の隅にフワフワの敷物を広げた。
 そこにガルムが当然のように乗り、俺のソファになってくれる。
 そして周りには、ヨミ、ネル、ユキがくつろぐ。

 部屋の中では、白虎ユズコとリルとシズカか走り回って遊んでいる。
 トレント隊が玉座を取り囲み、座面にトレントの実を積んでいるのは……謎だ。



───────────────
オパールが話しているシーンを探したけど見つからなかった(笑)
丁寧口調、としか設定に書いてなかった
ハナサンは『丁寧過ぎるメイド口調』w
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