14 / 23
黄金週間
第519話:戦闘開始!
しおりを挟む〈クラン【魔鬼連隊】対【sechs(ゼクス)】の対人戦闘開始時間となりました。
降参宣言は、クラン責任者は戦闘終了、クラン員は戦闘不能となります。死亡も戦闘不能となります〉
アナウンスが聞こえてきたのだが、死亡も戦闘不能とは此れ如何に。
〈戦闘不能者が7割を超えた方が敗北となります〉
あぁ、そういう定義なのか。
屁理屈で「生きてるから戦闘不能と呼ぶ」とか言う人も居るのかもしれない。
〈禁止事項は有りませ……え?はい?……〉
アナウンスが戸惑って沈黙とか、初めて聞いた。相手方もそうなのか、広いフィールドなのにそこかしこからドヨドヨと聞こえてきて、困惑した雰囲気が蔓延する。
〈対人戦闘フィールドを囲う結界を壊す行為は禁止です〉
うちの子達ですね?
うちの子達限定の注意事項ですね?それ。
今までのPvPには必要無かったアナウンスですよね?
<大きくなって、周りからプチしてやるのは駄目か!残念>
ムンド?それは岩山ごと丸く囲って、プチッと圧縮するつもりだったのか?
俺達も危ないだろうが!
上からズドンを禁止したら、周りからプチッになったらしい。
岩山の外側を囲う位大きくなると、結界よりも大きくなるのか。
見渡す限りの岩山で、果てが有るようには見えないが、まぁ、有るのだろう。
<どれ位の熱なら耐えられるのか、一度試して見た方が良いかもしれないね>
なぜかリルが目と口から炎を出して、上を見ている。
「止めなさい」
リルの下顎を押し上げ口を閉じさせ、キュッと掴む。悲しいかな、手が小さくてしっかりとは掴めない。
それにしても、やはり兄弟なのだと実感したよ。
〈それでは、戦闘開始〉
ピーッと笛の音が響き渡った。
個人やパーティーでの対人戦闘には無かった仕様だ。
始まったからと言って、俺にやる事は無いけどな!
いや、あった!!
悪友達の戦闘を見て、感動する事だ。
「やべぇ!ジルド格好良いな!」
闇から蝙蝠が出て来て敵を攻撃し、足元の影からは黒い犬が出て来て、やはり敵を攻撃した。
咲樹は敵の拠点を炎で攻撃している。
拠点の建物とか色々燃えて凄い事になっている。
容赦無いな、女王様。
珍しくオーべも真面目に戦闘参加しており、3本の矢を一気に射ている。それが全て敵に当たる。
「オーべ凄いな!」
俺が褒めると、気を良くしたのかオーべは6本の矢を番えた。
弦に6本全て触れている訳では無いだろうから、アーチャーのスキルなのか?
それが全て敵に当たるのだから、やはり普通では無い。
レイとユズコはやる事が無いのか、獣化してうちの子達に紛れている。
白虎はシズカやテラと本気で遊んでいるのだが、本番前に疲れるなよ。
銀狼はヨミとネルと、普通に遊んでいる。
近接戦闘スキルの異界人って、大規模戦闘の時はどうするものなのか。
……後日、リコンスから「普通は一方的な蹂躙ではなく、泥臭い近接戦闘もあるからね!」と怒られた。
そのようなのほほんとした俺と従魔達の時間も、すぐに終わりを告げる。
俺目掛けて、鋭い攻撃魔法が飛んで来たのだ。
〇〇アロー的な何かだが、俺には判別出来なかった。
応援ありがとうございます!
233
お気に入りに追加
267
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる