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黄金週間
第516話:作戦会議?
しおりを挟むみたらし団子争奪戦中に寝ていたプーリは、起きてから拗ねていた。
ちゃんとプーリの分を残しているのだが、皆と一緒に食べたかったらしい。
<プー、なかまはずれ>
いやいやいや。それは違うぞ!
「プーリはまだ子供だから、寝るのも大切な……のか?」
あぁ、言っている途中で自信が無くなってしまって、中途半端な言葉に。
なぜなら、テラもヨミもまだ子供の範疇のはずだからだ。
魔獣の成長速度がわからないからなぁ。
オーべのペットのリヴァイアサンのハナサンや、火蜥蜴のピリリも、生まれた直後に大人な感じだった。
種族の違い?
それとも、ペットと従魔で違うのだろうか?
あぁでも、紫蘭の火蜥蜴は従魔だけど、ピリリと同じく生まれた瞬間に大人だったな。
「――て、感じだけど大丈夫~?」
いきなりオーべに声を掛けられ、間抜けな顔を向けてしまった。
「聞いていませんでしたね」
レイに指摘され、誤魔化しきれずにヘラリと笑う。
どうやら俺がプーリと戯れている間に、何やら話が決まっていたらしい。
<儂とユキが聞いておったから大丈夫だ。主はネルと後ろに居れば良い>
ガルムが俺の頭頂へ頬擦りした後、ポフンと顎を乗せる。
乗せると言っても体重は掛かっていないので、重くは無い。
フワフワの帽子が載っているみたいに、気持ちが良いだけだ。
「とりあえず、私の蝙蝠が最初に倒せるだけ倒してやろう」
格好良いな、ジルド。俺も言ってみたい台詞だが、まぁ無理だな、知ってる。
「後はそれぞれが勝手に攻撃、で良いのかしら?」
怖い怖い怖い怖い。咲樹の笑顔が女神ではなく、悪神に見える。
「そうだね~。広範囲攻撃出来る人はなるべく数を減らして、その後に漏れた人を個人攻撃、かな~」
オーべが作戦をまとめる。
「この戦闘で活躍した順に四天王にしようぜ!」
いきなりユズコが馬鹿な事を言い出した。
因みにユズコは、現実でのデートは終わったのか、作戦会議直前にログインした。
「それは、範囲攻撃が出来ない僕が不利ですよね!?」
レイが不満を口にする。
「それ言ったら、回復術師でアーチャーな俺なんて全然駄目だろ」
オーべの語尾が伸びてないぞ。
何、真剣に話し合ってるのだろうか。馬鹿者共よ。
<うるさいよ、弱き者共よ。あまりにもうるさいと、我が開始直後に一面火の海にしてしまうよ?>
リルが超小狼サイズなのに、目と口から青白い炎を吹き出させる。俺の傍に置いてあった団子の串がボッと燃えた。
リルの炎に触れる距離では無いのにな!
<じゃあね!シズカね、空から隕石降らせるね!>
いやいやいや!それはシズカの命と引き換えの魔法だよな?
「シズカは魔法禁止」
<え~>
「駄目なものは、駄目だ」
シズカが命を掛けなくても、余裕で勝てるから!
<きゅきゅ!>
ヨミまでなぜかやる気満々だが、お前は範囲攻撃出来ないだろ?
<ヨミも、雷を大量に落とすって言っているね>
リルが通訳してくれる。
またヨミの技が進化したらしい。
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