11 / 38
黄金週間
第516話:作戦会議?
しおりを挟むみたらし団子争奪戦中に寝ていたプーリは、起きてから拗ねていた。
ちゃんとプーリの分を残しているのだが、皆と一緒に食べたかったらしい。
<プー、なかまはずれ>
いやいやいや。それは違うぞ!
「プーリはまだ子供だから、寝るのも大切な……のか?」
あぁ、言っている途中で自信が無くなってしまって、中途半端な言葉に。
なぜなら、テラもヨミもまだ子供の範疇のはずだからだ。
魔獣の成長速度がわからないからなぁ。
オーべのペットのリヴァイアサンのハナサンや、火蜥蜴のピリリも、生まれた直後に大人な感じだった。
種族の違い?
それとも、ペットと従魔で違うのだろうか?
あぁでも、紫蘭の火蜥蜴は従魔だけど、ピリリと同じく生まれた瞬間に大人だったな。
「――て、感じだけど大丈夫~?」
いきなりオーべに声を掛けられ、間抜けな顔を向けてしまった。
「聞いていませんでしたね」
レイに指摘され、誤魔化しきれずにヘラリと笑う。
どうやら俺がプーリと戯れている間に、何やら話が決まっていたらしい。
<儂とユキが聞いておったから大丈夫だ。主はネルと後ろに居れば良い>
ガルムが俺の頭頂へ頬擦りした後、ポフンと顎を乗せる。
乗せると言っても体重は掛かっていないので、重くは無い。
フワフワの帽子が載っているみたいに、気持ちが良いだけだ。
「とりあえず、私の蝙蝠が最初に倒せるだけ倒してやろう」
格好良いな、ジルド。俺も言ってみたい台詞だが、まぁ無理だな、知ってる。
「後はそれぞれが勝手に攻撃、で良いのかしら?」
怖い怖い怖い怖い。咲樹の笑顔が女神ではなく、悪神に見える。
「そうだね~。広範囲攻撃出来る人はなるべく数を減らして、その後に漏れた人を個人攻撃、かな~」
オーべが作戦をまとめる。
「この戦闘で活躍した順に四天王にしようぜ!」
いきなりユズコが馬鹿な事を言い出した。
因みにユズコは、現実でのデートは終わったのか、作戦会議直前にログインした。
「それは、範囲攻撃が出来ない僕が不利ですよね!?」
レイが不満を口にする。
「それ言ったら、回復術師でアーチャーな俺なんて全然駄目だろ」
オーべの語尾が伸びてないぞ。
何、真剣に話し合ってるのだろうか。馬鹿者共よ。
<うるさいよ、弱き者共よ。あまりにもうるさいと、我が開始直後に一面火の海にしてしまうよ?>
リルが超小狼サイズなのに、目と口から青白い炎を吹き出させる。俺の傍に置いてあった団子の串がボッと燃えた。
リルの炎に触れる距離では無いのにな!
<じゃあね!シズカね、空から隕石降らせるね!>
いやいやいや!それはシズカの命と引き換えの魔法だよな?
「シズカは魔法禁止」
<え~>
「駄目なものは、駄目だ」
シズカが命を掛けなくても、余裕で勝てるから!
<きゅきゅ!>
ヨミまでなぜかやる気満々だが、お前は範囲攻撃出来ないだろ?
<ヨミも、雷を大量に落とすって言っているね>
リルが通訳してくれる。
またヨミの技が進化したらしい。
351
お気に入りに追加
862
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる