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黄金週間

第507話:本番は明日から!

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 討伐系イベントでは無いからか、イベントが始まっていても途中参加が出来るらしい。
 まぁ黄金週間ゴールデンウィーク前日の告知だから、これで途中参加不可としたら暴動が起きそうだな。
 しかし、正月イベントの3日前告知もどうかと思ったが、今回は前日か……。

 コンコンコンガチャ。躊躇無し。
「イベント概要見た~?」
「まず返事を待つ事を覚えろ」
 相変わらずノックの後に返事を待たずに開ける悪友。今日の犯人はオーべだ。
 これを幻想世界ファンタジーワールドだけでなく現実リアルでもやるからな。
 一度きっちりとお話し合いをした方が良いかもしれない。

 オーべは持参の卓袱台ちゃぶだいを勝手に出して、急須で麦茶をいれている。
 なんでやねん。
 そして、俺の言葉は綺麗に無視されている。
 自分と俺の前にマグカップの麦茶を置いて、いそいそとウィンドウを開いているオーべ。
 もう一度言うぞ。
 なんでやねん。


「で、イベントなんだけどね~」
「おい」
対人戦闘PVPって、普段より人数制限緩くてクラン同士とかも出来るらしいよ~」
「そうか。それは良かったな」
 それよりも俺は、普段の態度の事でをしたいのだが?

「そんな顔しても可愛いだけだよ~」
 俺の機嫌が悪くなっていってるのが解ってて、わざとはぐらかしてたな、お前。
 オーべの手が俺の頭に伸びてきて……ガルムに叩き落された。

<いい加減にせぬか、うつけ者が>
 俺の後ろで大人しくソファになっていたガルムが、執事らしさを発揮してくれた。
 さすがガルムだね。惚れる!
<きゅ?>
 ヨミちゃん。可愛く首傾げてるけど、体に雷まとうの止めようか。



 ノックの件は、もうクセみたいなものなので無理!と開き直られてしまった。
 まぁ、俺も本気で困っているわけじゃないからな。現実リアルで一緒に住んでいたら困るかもだが。

「それじゃ話進めるよ~。今回のイベントは、うちのクランは全員参加予定なんだ~」
「へえ……え?」
 うちの子達だけでも無敵なのに、悪友達も一緒だと!?
 それはオーバーキル確定では?


<何故ペットは戦いに参加できないのでしょうか。ワタクシならば、絶対にお役に立てますのに>
 オーべの横でふよふよと浮かんでいるハナサンは、リヴァイアサンらしい自信に満ち溢れていて、中々に恐ろしい台詞を口にしている。
 これ以上戦力強化してどうするつもりだ。

「普通、ペットは弱いからね~」
 そう言うオーべのもう一匹のペットは火蜥蜴サラマンダーだけどな。
 説得力皆無だ。
「あれ?そういえばピリリは?」
 その火蜥蜴ピリリの姿が見えない。

「なんかね~。【ペットカフェ】の溶岩槽でデートしてる~」
「は?」
「ルチルと~」
 あぁ、紫蘭の従魔の火蜥蜴サラマンダーか。
 え?デート?飼い主、ペットに負けてないか?

「火蜥蜴の卵は孵化方法が確立されたから、孵化依頼が殺到しているらしいよ~」
 ピリリ監修の溶岩槽は、火蜥蜴の卵の孵化場として有名だ。
 それにしても、周りを火蜥蜴の卵に囲まれてのデートなのか?色気無いな。

「溶岩槽の中で寝てるだけで~、【ペットカフェ】オーナー達から色々貰えるみたいだよ~」
 それは、デートではなく、バイトではないかね?オーべさんや。


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