上 下
43 / 48

43:手紙

しおりを挟む
 


「とりあえず、この人だけでも滅ぼしちゃ駄目なのかしら?」
 送られてきた手紙を握り潰してしまいました。物理的に。

 手紙の内容を要約すると、今の正妃とは離婚するから、お前とヨリを戻してやろう。第三皇子妃より、王太子妃の方が地位が上だから、感謝しろよ、と。
 次はちゃんと一年以内に子供を産めよ?それくらいしかお前には出来ないだろ?と。

 ムカつく。何様なのでしょう。

 王国の正式文書ではなく、王太子個人からの手紙なのですが、読まずに捨てれば良かったです。
 他の人からの手紙に同封するなんて、ちょっとは成長しているのですね。
 差出人が王太子名だったら、100%開けずに燃やしておりましたのに。


 それにしても、あれだけ仲が良かったのに離婚とは穏やかじゃ無いですね。
 何か裏がありそうです。
 いえ、お馬鹿さん夫婦だから、私を正妃に据えれば、またお金が入ってくる~とか思っていそうですね。
 そもそも、私が旦那様第三皇子と離婚しないと、再婚も何もあったもんじゃないのですが……

 旦那様と離婚する気は微塵もありませんが、一応、王国あちらの様子を調べてみましょう。

 あら、王国内に誰かいたかしら?
 私の密偵は全部引きあげてしまった気がします。
 旦那様の密偵って、王国にいるのかしら?それか、お父様の……って、駄目だわ。
 何で今更王国を調べるのか聞かれたら、この手紙の事を話さなくてはいけないじゃない。

 こんなの読ませたら、間違いなく戦争だわ。


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

とある鬼と雛鳥の話

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,627pt お気に入り:98

もうやめましょう。あなたが愛しているのはその人です

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:232,689pt お気に入り:5,924

ミルクの結晶

BL / 完結 24h.ポイント:440pt お気に入り:190

婚約破棄されましたが、貴方はもう王太子ではありませんよ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:404pt お気に入り:3,010

満州国、戦車開発会社

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:14

冷徹公爵が無くした心で渇望したのは愛でした

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:18

処理中です...