召喚されて異世界行ったら、全てが終わった後でした

金儲けをしようじゃないか！

61：想定外だった！

　シロとラッキーで個人的に置物を作る事はあるが、それで商売をするつもりは無い事を説明し、商売の話は終わりとなった。
　俺はステージパパには向いてないらしい。
　タルトとマルリの像は、個人的に贈り物として渡す事を約束し、スエヒロ家をお見送りした。

　タルトがラッキーと、マルリがシロと、なかなか離れたがらなくて苦労した。
　俺にはすぐに「バイバイ」って手を振ってたけどな！

　微妙な気持ちになりながら、シロとラッキーに抱きついた。
　子供二人減っても、うちにはまだ獣人達と従魔師家族も居るからな。
　淋しくなんか無いからな！

＜置物を売るくらいなら、別に良かったのに＞
　抱きついていたら、顔を擦り付けながらシロが言う。
　シロは商売にする事に理解を示してくれるが、俺が嫌なんだよ。
〈どうせならフェンリルの方がご利益ありそうだしな！〉
　ガイヤが何でも無い事のように、トンデモナイ事を言った。

　もしやフェンリルの姿が判るのか？
〈当然判りますよ。なぜ判らないと思ったのかが解りません〉
　アートモは、時々本当に俺に厳しいよね！？そのうち泣くよ？俺。


　とりあえず、フェンリルの姿を教えてもらおうか。
〈神々しいほどの真っ黒い瞳〉
　はいはい。
〈耳は大きくて、ピンと立ってる〉
　なるほと、なるほど。
〈鼻は黒くて小さくて〉
　はいは……小さくて？
〈フワッフワの毛が全身をおおってるな〉
　まぁ、狼だしな。
〈短い手足はプルプルと震えておりまして〉
　んん～？
〈２～３頭身だ！ヨッシーでも両手で持てるぞ！〉

　チワワ！それ、どう考えてもチワワ！！
　少し大きくしても、いいとこパピヨン！

　小型犬っていうか、俺の中では超小型犬！
〈見た目はともかく、性格は攻撃的だ！〉
　あぁ、うん。見た目はチワワでも、狼なんだろ？フェンリルって。
〈神の子ですね〉
　アァーソウデシタネー。

　フェンリル像が玄関に飾ってあっても、単なる可愛い置物だよねー。
　威厳も何もあったもんじゃないよねー。
〈こういう言い方を（棒）って言うんだな！〉
　うるさいよ、ガイア。
　それにしても、この世界でフェンリルが表に姿を現さない理由が解った気がするよ。



　それから１週間もしないうちに、正式な契約書類と一緒にサンプルが届いた。
　サンプルって言うと少なそうだろ？これがまた段ボール箱に５個分だよ。
　しかも全部違う物。
　これがまた、どれも良いものなんだ。

　ちんこカップの試作品も入ってたけど、これは要らないと、速攻で返品しておいた。
　それはもう、速攻で！魔法を使って返しておいた！！
　後から、冒険者に需要が有るかもと気付いたが、慣れないと動きがおかしくなるかもだし、まぁ良いか……となった。

　因みに俺が想像したちんこカップは、どこぞの部族がはめる動物の角で出来た物だったんたけど、スエヒロ商会から届いたのは、至極真面目な金的防止用の物だった。
　そもそもちんこカップって、野球でキャッチャーがはめる物だしな。
　正式名称は確かファールカップだったか。
　格闘技用も有るらしいが、その辺はよく知らん。