召喚されて異世界行ったら、全てが終わった後でした

仲村 嘉高

文字の大きさ
上 下
44 / 81
金儲けをしようじゃないか!

44:完璧だ!

しおりを挟む



 女性陣のセンスに任せて、棚に商品を飾る為に必要な物を買ってきてもらった。
 高級な食器を置くのは、濃紺な布の上だ。
 置物は、女神像らしきものは明るいピンクや黄色のレースを重ねた上に。
 熊や兎、鹿や虎等の動物シリーズは、緑の布の上。

 魔石?宝石?は、素の色が保たれていたので、その色に合ったレース編みが敷かれた。
 無機質的な置物も、何か変な色味が無くなってお洒落だな。
 金属類は、錆やくすみが落ちて、ピッカピカである。
 でも素の色はあるので、銀は銀色、金は金色、青銅は緑青ろくしょうが消えて元の金色や白銀色になってしまった。

 色が白くなった物と、色が残った物の差がわからんな。
〈ヨッシー様の感覚ですね。金属や天然石は色が落ちるはずは無いと思っているのでは?逆に煉瓦や木は色が落ちると思い込んでいるのでしょう〉
 なんだろう。微妙に悪意を感じるぞ。



「ヨッシー様!カフェの内装完了しました!」
 元気に俺を呼びに来たのは、テッサだ。
 なぜか制服まで着てる。
 テッサは従魔術師なので、店頭に出る予定は無いはずだが……?

 案内されたカフェスペースは、とても可愛く、本当に可愛くなっていた。
 どこの夢の国?
 可愛いけど、本当に可愛いけど、これは客を選ぶぞ。

「すまん。通路の左右でコンセプトを変えてくれ。これでは年配層や男性客が入り辛い雰囲気になってしまう」
 原宿や渋谷にあるカフェなら、さぞかし大入りだっただろう。
 だが、ここの客層は多分もう少し上だ。
 俺の言葉を聞いて、明らかにホッとした顔をしたマリンがいた。


 片側がレースでヒラヒラなお姫様がコンセプトっぽい雰囲気。
 もう片方は、植木鉢や自然木のオブジェ等のあるボタニカルな感じだ。
 うんうん。良い感じ。

 料理は、キッチンっぽく見せかけたカウンターに転送ボックスを置いて、屋敷のファミレスから魔法で出来たてを送ってもらう。
 汚れ物は、もう1個の転送ボックスでファミレスへと送る。
 完璧!



<うわぁ!凄いね!>
 突然地面からラッキーが顔を出した。
「うわっ!」
 俺はそれにつまずいた、というより体当たりをかました。
 床は通り抜けるのに、俺にはぶつかる不思議。

「見に来たのか?」
<うん!だって、ヨシツグが構ってくれないから、自分から行かないと!>
 うわぁ、ゴメンよ~!
 確かに最近は獣人奴隷や、商店の件で動き回り、あまり二匹と遊んでなかった!


「シロもいるのか?」
<はい>
 シロが遠慮気味にラッキーの隣に顔を出した。
 二匹の顔の間に立つ形になった俺は、両手でワシワシと二匹の頭を撫でた。

 二匹がもう少し小さかったら、常に連れて歩けるんだけどなぁ。
 せめて!お座りしたら俺の身長位に。
〈なれるぞ〉
 なぜかガイアが断言する。
〈二匹が必要だと思えば、サイズの変更は可能でしょう。今は必要と思っていないのでは?〉
 マ~ジ~か~!!

「シロ、ラッキー。昔の大きさになれば、また一緒に色々な所へ散歩に行けるぞ」
 とりあえず、二匹が1番理解しやすいように言ってみた。
<そうなの!?>
<あら、それは素敵ね>
 床からスポーンと飛び出した二匹は、ピカーッて光って、昔のまんまの姿で床に着地した。

「シロ!ラッキー!」
 二匹を抱きしめながら、俺は泣いていた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

処理中です...