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金儲けをしようじゃないか!
41:名付けって大変だな
しおりを挟むあれから1週間経ちましたよ!
困った事に、獣人達は殆ど名前が無かった。
戦闘職に就いていた人達は、連携時に名前が無いと困ると言う理由で名前があった。
それ以外は名無し!酷い者になると、額や頬に番号が彫られてたんだよ!
これは商人じゃなくて、従業員が勝手にやったらしい。
釘や刃物で傷を付け、インクをすり込むんだとさ!
えぇ、もう、速攻で因果応報してやりましたとも!
呪いとか奴隷印じゃないけど、根性で魔法構築してやったとも!
そのまま「因果応報」です。
今頃、頬や額が真っ黒になってる奴が居る事だろう。
まともな職業には就けないだろうが、そんな事は知らん!
もう名前どうしようかな。
色んな漫画やアニメのキャラの名前を紙に書きまくって、それをクジ引きで獣人本人に引かせようかな。
〈うん。それは、色々困るから止めておけ〉
〈誤魔化しようの無い名前とかありますからね。しかもきちんとした会社だと削除依頼来ますよ〉
え?よく解んないけど、怖いからこの方法はやめておくわ。
太郎、二郎、三郎……いやいや、十五郎とかなんて読むの?じゅうごろう?
その前に、獣人に番号付けた従業員と変わらんくないか?
いや、奴は入れ墨したのがそもそも問題だったんだけどな。
助けてドラ○もん~!
良い名前が思い浮かぶ道具を!!
「名前など、自分に決めさせれば良いではないか」
脳筋ボールスらしい考えだな!
「どうやるんだよ!いきなり自分の名前を決めろって言われて、すぐに思いつく奴が何人いるんだ?あぁ!?」
アザトースが何故か、日に日に柄が悪くなっている気がする。
「好きな花でも好きな色でも、何かしら有るだろう?獣人は感情が無いのか?」
ボールスの言葉に、眼から鱗がポロリンです。
名前らしい名前にこだわっていた俺が馬鹿だった。
確かに、名前は知らなくても好きな花とか有るかもしれない。
青空が好き、夏が好き、雨が好き、雪が好き、それを基に名前を考えれば良いんだよな。
「ありがとう、虎右衛門」
ボールス、今日から君の名前は虎右衛門だ。
これならセーフだろう。
〈アウトだよ!〉
すかさずガイアからのツッコミが来ました。
ありがとう。
〈ボールス様には、既に立派なボールスと言うお名前があります。ヨッシー様が決める必要はございません〉
アートモが冷静に指摘してくる。
なんだろう。この、ボケをかましたのに、素で注意されている恥ずかしさ。
「トラエモンか!熊兄さんの名前にするか?」
ボールスが笑顔で言ってくる。
すみませんでした!マジで止めてください。
皆が熊兄さんを呼ぶ度に、心臓がバクバクするようになるので!!
「トラエモンは、青い狸の事だから、熊には付けられないんだよ」
それだけを言って、クルリとスーザンとマリンに向き直る。
「青い狸?」とか呟いているアザトースと、首を傾げているボールスは放置だ。
「二人は、獣人達と協力して、名前の無い人達の好きな物とか、もし希望が有ればつけたい名前とか聞いておいて」
「はい。かしこまりました」
スーザンはすぐに返事をしたけど、マリンは少し困った顔をしている。
「どうした?」
促すと、マリンは苦笑しながら質問してきた。
「子供達は、ドリアとかパフェとか食べ物を選ぶ確率が高いかと。それは有りでしょうか?」
うん。無しだな。
「食べ物は禁止で」
大人より、子供の名付けに苦労しそうだなぁ。
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