上 下
37 / 81
異世界生活始めました!

37:大人の休日?

しおりを挟む



 今日は何もしない日です。

 気が付いたら、俺ってば働き過ぎじゃない?
 いきなりお店のオーナーになったり、奴隷が五十人も増えたり、やらなきゃならない事は山積みだ。
 でもね、でもね!!

 1日くらい何もせずに遊ぶ日があっても良いよね?


 広い庭の木陰に木製のサマーチェアを置いて、テーブルの上にはクッキーやポテトチップスなどのジャンクフードと、キンキンに冷やしたビールが置いてある。
 大人の休日の定番、昼からアルコール摂取してダラダラ過ごすを実行中だ。

 なぜビールがあるのか。
 それはファミレスに生ビールサーバーがあったからだよ。
 ドリンクバーもあるが、昔のタイプで厨房の中に設置されていた。

 好きなだけどうぞ、なドリンクバーだと、奴隷達は遠慮して誰も飲まない気がするので、これで正解だと思う。
 この生ビール用も含めたドリンクサーバーが、掃除しなくても0時になると勝手に浄化される優れもの。
 サーバーの掃除って、意外と面倒なんだよな。


 そんなこんなで、ダラダラとくつろいでいたら、大きめのビーチボールくらいあるボールを咥えて、ラッキーが寄って来た。
 このボールも、あの二人の手作りなんだろうなぁ。
<ヨシツグ遊ぶ~?>
「おう、いいぞ!」

 自分に身体強化を掛けて、思いっ切りボールを投げる。
 屋敷を越えて、裏の森に飛んでいった。
 我ながらよく飛んだな!
<ぃいやっほぉう!>
 テンション爆上げでラッキーが飛んで行った。

 今、ラッキーが行った地域はまだ手付かずだけど、まぁ大丈夫だろう。
 明日あたり、ちょっと伐採というか間引き?して、陽の光が入るようにしなきゃな。



 なんか、思った以上にラッキーが帰って来ないな。
 さすがに敷地は越えないだろうし、変な所に引っ掛かったとか?
 でも空も飛べるし、色んな所の通り抜け出来るから、ボールが見つからないとかも無いだろう。

「なぁ、シロ。ラッキーが帰って来ないんだけど大丈夫かな?」
 俺の横で日向ぼっこしているシロに聞く。
 上半身を起こしたシロは、ラッキーが飛んで行った方向をジッと眺めた。

<大丈夫よ。新しいが出来たみたい>
 それだけを言うと、シロはまた寝始めた。
 新しいお友達って何!?


 獣人兄妹は、今日はマリンと買い物に行っているから、屋敷には居ない。
 従魔術師家族は、街の従魔ギルドに再登録に行って、その後はやはり買い物だ。
 ほら、五十人も人が増えるからね。
 何かと入用いりようなのよ。

 因みに俺は従魔ギルドに登録しなくても良いそうだ。
 従魔を使って仕事をする人が登録するらしい。
 奴隷落ちして奴隷商の私物扱いになると、一度登録が削除されるのだとか。
 身元の保証をどこがするのかって事だろうか。
 それとも中間マージンをどこが得るかなのかな。


 なんてボーッと考えていたら、やっとラッキーが帰って来た。
<ただいま!>
 明るい声で元気に挨拶をしたラッキーの口には、グッタリとした毛むくじゃらが!!
 よく見たら、背中にもしがみついている毛むくじゃらが二匹。

 あ、背中のが力尽きたのか滑り落ちた。

 ラッキーの背中に居ると小さく見えたけど、地面に落ちた体は俺の倍はデカイ。
 てか、熊?熊だよね?
 しかもエライ凶悪な顔してんだけど!

 そしてラッキーの口から降ろされた熊は、気を失っているにもかかわらず、ラッキーのボールをしっかり抱えていた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スキルガチャで異世界を冒険しよう

つちねこ
ファンタジー
異世界に召喚されて手に入れたスキルは「ガチャ」だった。 それはガチャガチャを回すことで様々な魔道具やスキルが入手できる優れものスキル。 しかしながら、お城で披露した際にただのポーション精製スキルと勘違いされてしまう。 お偉いさん方による検討の結果、監視の目はつくもののあっさりと追放されてしまう事態に……。 そんな世知辛い異世界でのスタートからもめげることなく頑張る主人公ニール(銭形にぎる)。 少しずつ信頼できる仲間や知り合いが増え、何とか生活の基盤を作れるようになっていく。そんなニールにスキル「ガチャ」は少しづつ奇跡を起こしはじめる。

家族に辺境追放された貴族少年、実は天職が《チート魔道具師》で内政無双をしていたら、有能な家臣領民が続々と移住してきて本家を超える国力に急成長

ハーーナ殿下
ファンタジー
 貴族五男ライルは魔道具作りが好きな少年だったが、無理解な義理の家族に「攻撃魔法もろくに使えない無能者め!」と辺境に追放されてしまう。ライルは自分の力不足を嘆きつつ、魔物だらけの辺境の開拓に一人で着手する。  しかし家族の誰も知らなかった。実はライルが世界で一人だけの《チート魔道具師》の才能を持ち、規格外な魔道具で今まで領地を密かに繁栄させていたことを。彼の有能さを知る家臣領民は、ライルの領地に移住開始。人の良いライルは「やれやれ、仕方がないですね」と言いながらも内政無双で受け入れ、口コミで領民はどんどん増えて栄えていく。  これは魔道具作りが好きな少年が、亡国の王女やエルフ族長の娘、親を失った子どもたち、多くの困っている人を受け入れ助け、規格外の魔道具で大活躍。一方で追放した無能な本家は衰退していく物語である。

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい

兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。

家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから

ハーーナ殿下
ファンタジー
 冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。  だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。  これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。

一人だけ竜が宿っていた説。~異世界召喚されてすぐに逃げました~

十本スイ
ファンタジー
ある日、異世界に召喚された主人公――大森星馬は、自身の中に何かが宿っていることに気づく。驚くことにその正体は神とも呼ばれた竜だった。そのせいか絶大な力を持つことになった星馬は、召喚した者たちに好き勝手に使われるのが嫌で、自由を求めて一人その場から逃げたのである。そうして異世界を満喫しようと、自分に憑依した竜と楽しく会話しつつ旅をする。しかし世の中は乱世を迎えており、星馬も徐々に巻き込まれていくが……。

異世界最強の賢者~二度目の転移で辺境の開拓始めました~

夢・風魔
ファンタジー
江藤賢志は高校生の時に、四人の友人らと共に異世界へと召喚された。 「魔王を倒して欲しい」というお決まりの展開で、彼のポジションは賢者。8年後には友人らと共に無事に魔王を討伐。 だが魔王が作り出した時空の扉を閉じるため、単身時空の裂け目へと入っていく。 時空の裂け目から脱出した彼は、異世界によく似た別の異世界に転移することに。 そうして二度目の異世界転移の先で、彼は第三の人生を開拓民として過ごす道を選ぶ。 全ての魔法を網羅した彼は、規格外の早さで村を発展させ──やがて……。 *小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜

FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio 通称、【GKM】 これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。 世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。 その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。 この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。 その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…

処理中です...