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異世界生活始めました!

28:腹黒大活躍

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「なぁ!奴隷って、ちゃんと保護されてんじゃなかったのかよ!」
 俺の問い掛けに、アザトースは苦虫を噛み潰したような顔をする。
「隣国の奴隷だろうな」
 国によって奴隷の待遇が違うのか!?

〈隣国は人族至上主義で、獣人は獣混じりと呼ばれ人権はありません。森の中などで隠れ住んでいますが、捕まったら有無を言わさず奴隷落ちです〉
 隣国、滅ぼして良いかな?


 獣人って隠れ住んでるなら、戸籍とか無いよな?
 こっちの国に逃げてくれば……
〈無理だな!なんか獣人だけ抜けらんない結界がある。これ、の知識っぽいんだよなぁ〉
 こっち?地球って事?

〈そう!普通の結界は魔をはじくとか、悪意を探知とかだかんな!聖魔法?〉
ワタクシ達ナビが生成される前なので詳しくはわかりませんが、当時の王が賢者に作らせた結界のようです〉
 そもそもナビはいつ出来たのかって話なんだが。
〈私は500年前です〉
〈オレ様は50年前!〉
 ふぅ~ん。
 別に負けてないし?思ったより凄い前で驚いてなんて無いし?



「立て!立つんだ!」
 バシン!また凄い音がした。
 段平のおっちゃんは、もっと愛のある言い方だったぞ!

 我慢の限界がきた俺は、獣人を鞭打つ男の側を通った。
 わざとですが何か?
 予想通り、また鞭を振りかぶった男。
「痛えぇ!!」
 男の鞭が、俺の腕に当たった。
 大袈裟に叫ぶ俺。

 決して俺が腕を当てたわけじゃ無い。
 無いったら無い。
 バレなきゃ正義。


「な!後ろに来たお前が悪いんだろ!?」
 はい、ありがとう。
 謝りもしない男。情けは無用だな!
「ほう?鞭を当てておいて、謝りもしないか、お前は」
「私達が護衛している方を傷付けておいて、こちらに非があると」
 打ち合わせたわけでも無いのに、ボールスとアザトースが俺の前に出た。

 店の前が騒がしくなったからか、男が荷物を運び込んでいた店の主人らしき男が出て来た。
「何を騒いで……!!?」
 不機嫌そうに出て来たオヤジは、ボールスとアザトースを見て顔色を変えた。

「アンタ!なんて人達に喧嘩売ってんだ!もう帰ってくれ!うちには二度と来んな!うちは無関係だ!」
 先に運び込んでいたと思われる2つの箱を屈強なオニーサンが運び出した後、扉は閉められた。
 ご丁寧に鍵まで掛けて。



 男は捕縛され、を傷付けた罪で財産没収の上、投獄される事になった。
 勿論、没収された財産は全て俺への慰謝料だ。
 手続きは全てアザトース。
 さすが腹黒。あざーす!

 面倒臭い手続きをアザトースがしている間、俺とボールスは獣人兄妹を治療院へ連れて行った。
 そう。荷車で見えなかったが、もう一人獣人が居たんだよ。
 同じようにガリガリで痣だらけの女の子が。

 あの男、投獄じゃなくて死刑でも良かったんじゃね?
 てか、マジで隣国滅ぼして良くね?


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