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ある意味テンプレ
22:重い!色々重過ぎる!!
しおりを挟む実食!
シロとラッキーにも分けると、一人二口か三口だな。
うん。味は予想通りだ。
ただフライパンが重くて振れなかったから、いまいちパラリ感が足りない。
惜しい。
「シンプルだけと美味しいですね」
「焼き飯はもっとコッテリだから、俺はこっちのが好きかも」
「本当はもっとパラリとしてるんだ。鍋が重くて俺には振れなかったよ」
素直に失敗作だと説明した。
<美味しいよ!大丈夫!>
<はい。充分美味しいです>
三口しか食べてないのに、いや、二匹の大きさを考えたら一口分も無いかもしれないのに、美味しいと言うシロとラッキー。
やっぱり腹いっぱいになるほど食べさせてやりたいなぁ。
「調理を見ていて、大体は解りました。ご飯を入れてから鍋を振るえば良いんですよね?」
鍋を振るう真似をする短髪の方。
その手付きを見ると、おそらく理解しているようだな。
「今日のお昼はちゃーはんで!それならヨッシー様もハティ様もスコル様も食べるでしょ?」
長髪の彼が言う。
このまま二人は勤め続けそうだから、名前を聞こうかな。
短髪の真面目そうな彼がジョエル。
長髪のちょっと砕けた方がアラン。
そして彼等にハティとスコルではなく、シロとラッキーと呼ぶようにお願いした。
昼食は、アザトースとボールスも一緒に食べる事になった。
食堂ではシロとラッキーが入れないので、庭に椅子とテーブルを持ち出した。
別に俺と二匹だけなら、敷物を敷いてピクニックみたいにするだけで良かったのに。
因みに料理人二人は一緒に食べないで、使用人の休憩室で食べるそうだ。
貴族じゃないけど、そこは主従関係があるから、線引きがキッチリしているのかもしれない。
俺だけなら間違いなくなあなあになってたな。
その前に、俺だけなら料理人は雇わないか。
「美味いな、この焼き飯!」
ボールスが言うのを、アランがチッチッチッと指を振る。
雇い主にこの態度で良いのか?
「違いますよ、ボールス様。これはヨッシー様の故郷の料理でちゃーはんです。ご飯をパラパラにするのがコツだそうです」
得意気に言うだけあって、俺が作ったのよりパラリとしていて美味しいと思う。
シロとラッキーも、山盛りだった炒飯をペロリとたいらげた。
大食い番組に出てくる炒飯よりも、更に大盛りだった。二人で運んで来たからな。
でも二匹の前に置くと、ちょっと少なく見えるくらいだった。
盥かと見間違うほどの器に入ったコンソメスープも、全部飲んでいた。
二人に調理を頼んで正解だったかもしれない。
食費は折半になった。
食べても食べなくても、買った食材費を均等割。
シロとラッキーは頭数に入れず、3等分だ。
料理人の賃金がボールス持ちだし、誰よりもシロとラッキーの食費が1番高いのに!?と反論したが、それなら家賃と掃除代を払うと言われてしまった。
掃除代は浄化魔法の代金になるので、目ン玉が飛び出るほど高額らしい。
何となく納得いかないけど、そういうものなのだろう。
因みに料理人二人は、昼食の後片付けが終わったら、本当にシロとラッキーと遊びに庭に来た。
でっかい自作のボールらしきものとか、デッキブラシのような、これも自作のスリッカーブラシとか持って来たよ。
凄いよね、アランとジョエル。
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