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聞いてないんですけど!?
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※LGBTQ+に対する差別用語らしきものが出てきますが、ストーリー上必要なのでサラリと流してください。
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「ちょっと聞いてるの?私は貴方に注意してるんですけど?」
注意された男子生徒も、周りの生徒も、勿論リナモモも、ポカーンと公爵家子息を眺めていた。
リナモモは前世知識で公爵家子息だと知っているが、他の生徒からしたらやたらと格好良いけど女性口調の変な奴である。
「な、なんだよ!気持ち悪いなオカマ!」
注意された男子生徒がわめく。
「へぇ。自分に非があるのに、謝るどころか逆ギレ?最悪なんですけど!?」
凄く綺麗な顔で見下す笑顔をされると、威力倍増だとリナモモは知った。
「ね、ねぇアン。もう良いのじゃないかしら?誰も怪我してないし」
公爵子息の後ろから、上着の裾をツンツンと引っ張る細い指があった。
「しょうがないわね。シャルがそう言うなら」
フゥと態とらしいくらい大きな溜息を吐いたアンと呼ばれた公爵家子息は、シャルと呼ばれた女生徒の肩を抱き寄せた。
「うっそ、婚約者代わった?」
思わずリナモモが呟くほど、シャルと呼ばれた女生徒は美しかった。
癖のない真っ直ぐで艷やかな髪に、一重を活かしたスッとした目元。長いまつ毛が影を作っている。
唇は自然なチェリーピンクで、もしかしたら艶だけを出した自前の色なのかもしれない。
「シャルにぶつかられてたら、アタシ絶対に許さなかったわ」
「もう、アンってば。駄目よ、私の事となると見境なく怒るのは」
「だってシャルの事が大好きなんだもの」
「ウフフ、私も大好きよ」
仲良さげに自分の横を通り過ぎる二人を、リナモモは呆然と見送った。
その際に、公爵家子息がチラリとリナモモを見て、口の端を持ち上げた事には気付かなかった
入学式は、滞りなく終わった。
そう、何事もなく。
本来ゲームでは、一つ上の学年の王子が祝いの挨拶をした時に、主人公がいつも通りに淑女らしくなく元気に拍手をしてしまい、壇上の王子が驚いた後笑うというのが王子とのイベントだった。
しかし公爵家子息狙いな上に、先程見た光景がショック過ぎたリナモモは、魂が抜けた状態だったので、ある意味淑女らしい拍手になった。
侯爵家子息(騎士団長子息)とのイベントは、早速嫌がらせに来た悪役令嬢を撃退するものなので、起こる事は無いだろう。
周りが砂糖を吐きそうなほどのバカップルに成り下がっている悪役令嬢が、嫌がらせなどするはずがないからだ。
「どうなってんの!?悪役令嬢は美人になってるし、公爵家子息はオネェだし!」
入学式が終わって家に帰ってから我を取り戻したリナモモは、ベッドに向かってクッションを投げつけた。
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「ちょっと聞いてるの?私は貴方に注意してるんですけど?」
注意された男子生徒も、周りの生徒も、勿論リナモモも、ポカーンと公爵家子息を眺めていた。
リナモモは前世知識で公爵家子息だと知っているが、他の生徒からしたらやたらと格好良いけど女性口調の変な奴である。
「な、なんだよ!気持ち悪いなオカマ!」
注意された男子生徒がわめく。
「へぇ。自分に非があるのに、謝るどころか逆ギレ?最悪なんですけど!?」
凄く綺麗な顔で見下す笑顔をされると、威力倍増だとリナモモは知った。
「ね、ねぇアン。もう良いのじゃないかしら?誰も怪我してないし」
公爵子息の後ろから、上着の裾をツンツンと引っ張る細い指があった。
「しょうがないわね。シャルがそう言うなら」
フゥと態とらしいくらい大きな溜息を吐いたアンと呼ばれた公爵家子息は、シャルと呼ばれた女生徒の肩を抱き寄せた。
「うっそ、婚約者代わった?」
思わずリナモモが呟くほど、シャルと呼ばれた女生徒は美しかった。
癖のない真っ直ぐで艷やかな髪に、一重を活かしたスッとした目元。長いまつ毛が影を作っている。
唇は自然なチェリーピンクで、もしかしたら艶だけを出した自前の色なのかもしれない。
「シャルにぶつかられてたら、アタシ絶対に許さなかったわ」
「もう、アンってば。駄目よ、私の事となると見境なく怒るのは」
「だってシャルの事が大好きなんだもの」
「ウフフ、私も大好きよ」
仲良さげに自分の横を通り過ぎる二人を、リナモモは呆然と見送った。
その際に、公爵家子息がチラリとリナモモを見て、口の端を持ち上げた事には気付かなかった
入学式は、滞りなく終わった。
そう、何事もなく。
本来ゲームでは、一つ上の学年の王子が祝いの挨拶をした時に、主人公がいつも通りに淑女らしくなく元気に拍手をしてしまい、壇上の王子が驚いた後笑うというのが王子とのイベントだった。
しかし公爵家子息狙いな上に、先程見た光景がショック過ぎたリナモモは、魂が抜けた状態だったので、ある意味淑女らしい拍手になった。
侯爵家子息(騎士団長子息)とのイベントは、早速嫌がらせに来た悪役令嬢を撃退するものなので、起こる事は無いだろう。
周りが砂糖を吐きそうなほどのバカップルに成り下がっている悪役令嬢が、嫌がらせなどするはずがないからだ。
「どうなってんの!?悪役令嬢は美人になってるし、公爵家子息はオネェだし!」
入学式が終わって家に帰ってから我を取り戻したリナモモは、ベッドに向かってクッションを投げつけた。
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