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マヨネーズチート(不発)
しおりを挟む前世を思い出したからやる事と言えば、料理チートである。
まずはマヨネーズよね!と、リナモモは張り切ったが……食卓には、見慣れた物体。
「あれ?マヨネーズよね」
リナモモの前には無いが、家族のところにはマヨネーズが小鉢に入れられて置いてあった。
あまりにも凝視していたからか、義兄に気付かれてしまう。
「リナモモにはまだ早いかな。味覚が未発達だと、このマヨネの味ばかり好むようになって、何にでも掛けるようになっちゃうらしいからね」
うん、知ってる。マヨラーだよね。
リナモモは心の中で頷く。
「後2年待ちなさいね」
母親にまで言われてしまったリナモモである。
何歳で食べたかとかマヨラーには関係無い気もしたが、原材料にそういう成分があるのかもしれないと、リナモモは納得した。
なにせここは異世界である。
食べられないとなると、余計に食べたくなるのが人間である。
マヨネーズたっぷりの玉子サンド、同じくポテトサラダ。タルタルソースをたっぷりかけたエビフライが食べたい。
そこまで考えて、ふと気付く。
今までタルタルソースを見た事がないと。
「タルタルソース!マヨネーズがあるなら、タルタルソースを作れば良いのよね!タルタルソースと言えば、マヨネーズと茹で卵と胡瓜のピクルスよね!」
実際には、タルタルソースの中の具は作成者の好みであり、刻んだ玉葱が入っていたり、ピクルスではなく生の胡瓜を使う人もいる。
しかし人間とは、自分中心で物事を考える生き物なので、そこは別に重要では無い。
厨房へ顔を出し、タルタルソースを作ろうとして料理人に「マヨネを使った新しいソースを作って欲しい」と言った瞬間に、締め出された。
「マヨネはもう少し大きくなってからにしましょうね」
そもそもここではまだマヨネを口にした事が無いリナモモが何を言っても、マヨネを食べたい子供の我儘としか思われなかった。
そして、マヨネが食べられない子供がいる家では提供されないだけで、既にタルタルソースも存在しているとリナモモが知るのは、マヨネが解禁になった2年後であった。
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