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王立魔法学園~甘いは誰のため~(ざまぁはないよ!)
乙女ゲーム:甘くない学園
しおりを挟む「貴女は、何をしたか解っていらっしゃるの?」
シフォンティーヌからの容赦ない詰問に、ショコラは困った顔をしていた。
なぜなら、シフォンティーヌが怒っている理由が解らないからだ。
「あの、昨日のパーティーの事なんですよね?」
謝ってしまえばこの場は治まるのかもしれないが、それは何かが違うとショコラは問い返す。
解らないから、素直に質問するしかない。
ショコラの様子に、いつもの三人は大きな溜息を吐きだす。今日はいつもの扇で口元を覆う事すらしていない。
そのせいか、いつも以上に怒りの感情がショコラの肌を刺す。
「貴女は、私の婚約者と三回ダンスを踊られました」
前に侯爵令嬢だと言っていた女が指を三本立てながら言う。
「私の婚約者ともです」
だいぶ前にハンカチでショコラを馬鹿にした女も同じようにショコラを責める。
「え?それって、カシュー様とアーモ様の事ですか?」
ショコラの目が驚きで大きく見開かれた。
そして、なぜこの三人が自分をいつも責めるのかをやっと知ったのだ。
婚約者と仲良くする自分に嫉妬しているのだと。
昨日のパーティーで、ショコラはマカディーアとその側近二人とずっと一緒にいた。
いや、ファーストダンスだけは三人とも婚約者と踊っていたようだが。
ショコラがダンスを踊った相手は、この三人と講師のビタールだけである。
確かに、やっと覚えたダンスを褒められ、嬉しくて何度も踊った。
誰と何回踊ったかまでは覚えていなかったが。
「殿下とは、何度踊られました?
他の御令嬢がお待ちでしたのよ?」
一際冷たい声でシフォンティーヌに責められる。
しかし、ショコラはマカディーアにパートナーに選ばれたのだ。
最初のダンスだけは婚約者と踊るが、後は自由だと聞いている。
「好きな人と好きなだけ踊る。それの何がいけないの?
マカディ様だって、とても喜んでたわ」
昨日のマカディーアの蕩けそうな笑顔を思い出す。
「パーティーとは、社交場なのです。
その様な世迷言は、二人きりの時に好きなだけおっしゃると良いわ」
シフォンティーヌの手に持つ扇がビシリと嫌な音をたてる。
綺麗に飾られた真っ白い羽が数枚地面へと落ちた。
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