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乙女ゲーム本編突入です。
第70話:魔力制御
しおりを挟むさて、不死鳥の卵もどきの件はこれで解決。
水属性、全然関係なかったけどね!
まだ授業の時間は残ってるけど、なんとなく皆の気が抜けている。
まぁ、特級の3年生だから、習う事はほぼないからね。
ふと見た視線の先に大穴。
まだ塞いでないのか、爆発跡。
「先生、この大穴はどうしますの?」
塞げと言うのは簡単だけど、一応授業中なので、教師の意見を仰ぐ。
「どうするかな~。埋めても良いが、端だし何かに利用できるかなぁ」
ノリ軽いな。
大穴って、前世の感覚だとゴミ捨て場なんだよね。でも学園内にゴミ捨て場はないだろう。
「そこの生徒は、何が苦手な何属性だい?」
お?教師達は、ある程度の生徒のクラスを把握してるのかな?この3人が初級だってのを判ってるようだよ。
「私達、3人とも魔力制御が苦手です。
どうしても規模の大きな魔法になってしまいます」
1人の女生徒が代表して、苦手な事を答える。
「そして、私は土と水と雷です」
「私は、土と水です」
「私は火と土です」
3人が手を上げて、次々と答えていく。3人とも土属性は持ってるんだね。
「よし、じゃあ3人でこの穴の底と壁を整えて固めてみようか。最初は制御しなくて良いぞ。
自分の1番出しやすい力でやってみろ」
なんてアバウトな指示でしょう。
感覚で理解できる特級の生徒達を受け持つからか、教師も感覚優先だ。
普段、細かく指示されているであろう初級の生徒達は戸惑っている。
「何の魔法で整えればよろしいでしょうか?」
確かに。
「そんなもの、好きなのでやってみれば良い」
えぇ~先生~これだから天才肌のヤツは。
多分、コイツもビゼタールと同じで元宮廷魔術師とかなんだろ?
「俺なら、火魔法でまず溶かすかな」
多分、火魔法が1番得意な男子生徒なのだろう。
「あら、水魔法で削るという手もありますわよ」
対抗策出ました。
「土魔法でガッツリ固めれば良いだけだろう?」
そう……なのかな?
「わ、私、火魔法で溶かしてみます!」
火属性持ちの子が気合いを入れて叫ぶ。
あまり力むと逆効果だからね、リラックスよ、リラックス。
と、予想通り穴の中で火柱が上がった。
魔力量が多すぎて制御できないのかしら?
「よし!そこから炎を小さくするイメージだ。
何かあっても周りは特級3年だ!気にするな!」
先生、そこは少し気にしようか。
『周りが特級』という台詞でリラックスできたのか、炎が少しずつ小さくなっていく。
火柱が焚き火くらいになる。
最終的にはガスコンロの強火くらいになった。
「うそ……出来た」
やった本人が1番驚いている。
「最初から小さい火を出そうとするから失敗しやすいんだ。
まぁ、最初が火柱じゃ普段の授業じゃ好きなようにやってみろ……は、難しいだろうなぁ」
教師が苦笑する。
多分、初級担当教師に同情したのだろう。
「小さい火を出す感覚はわかったな?
次からは火柱スタートじゃなくなるだろう。焚き火くらいなら、普通の授業でも大丈夫だろうしな」
先生の言葉に、女生徒は目をキラキラさせて頷く。
うん。良かったね。
「わわ私もやってみて良いですか?」
もうひとり、やる気を出した女生徒。
雷が得意だと言う。
私は雷属性がないので、今、ここで有効な魔法がわからない。
「おう、何でもやってみろ。
今日しかできない事もあるだろう」
お、先生が先生らしい。
結局彼女は、穴の中で電気を放電させていた。
空気中を伝わって周りにも広がっているが、そこは特級、皆自分で身を守っている。うん。確かにこりゃ、周りが特級だからできる方法だね。
火属性の子と同じように、徐々に規模を縮小していく。
最後はスタンガンレベル?片手に収まる大きさになった。
しかし、濃度?が高いから、属性のない私とかが不用意に触ったら、死亡レベルの感電をするらしい。
雷怖っ。
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