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乙女ゲーム本編突入です。
第56話:園遊会1
しおりを挟む春の淡い色合いの花から、煌めく若葉へと変化してきました。
本日、園遊会でございます。
学園内の大きな講堂でのパーティー。
デビュタントほどではないけど、やはり入場には時間が掛かります。
普通のパーティーと違うところは、男性の所属するクラスと爵位で入場するところでしょうか?
全体での最後は、特級のバカ殿下となりますね。
腐っても第一王子だし。
初級の平民が一緒ってあたりが笑えますが。
私達の中では、ミリフィールが1番早く会場入りです。
パートナーがルーベン・ブラウウェル伯爵令息だからね。
次がジェラール。今回のパートナーはビゼタールではない。学園内での行事なので、教師としてやる事があるらしい。
侯爵家で学園内に婚約者がいない人と組む事になったのだ。のほほんとした人で、四男だから伯爵家に婿入りするとか。年上女房なんだって。
次が、私とリュオ。そしてなぜかライジ殿下とサラも一緒。
2組同時入場ですよ。
留学生だから、この国の爵位には当てはまらないけど、多分偉いんだと思う。
けど、自国の王族より後にするわけにもいかず、苦肉の策?
私とサラが並ぶと、ちょっと凄いよ。
黒のゴスロリっぽい着物ドレスの私と、赤地に黒や金の花魁っぽい着物ドレスのサラ。下品にならないのは、デザインが良いからだろう。
私もサラも、デビュタントの時に付けていたアクセサリーをそのまま使っている。
それも考慮されてるデザイン。
見てたのかしら?って、思った。
ジェラールもミリフィールも、また雰囲気の違う着物ドレス。
2人は、婚約者の色がふんだんに使われてるよ!
ジェラールの場合、ビゼタールなんて茶色じゃん!って思ってたけど、茶色のレースが使われていて、超素敵です。
ミリフィールは、マーメイドドレスのようなデザインで、サラとはまた違う色気があります。
こうやって見ると、私だけ子供っぽくない?
何でゴスロリ……
いや、わかってるよ。わかってるんだけどさ。
会場内から「おぉ!」と言う声が聞こえてきた。
おそらく、ミリフィールの入場だろう。
学園内の行事だけど、保護者とかなんか、偉い人とか、色々来てるからね。なんせ園遊会。
え?うちですか?両親にだけ伝えましたよ。でも、絶対、兄夫婦もいるだろうけど。
だって、あの兄夫婦だから。
お、また会場からどよめきが上がった。
今度はジェラールかな?
デビュタントと違って、挨拶してサクサク入場だからね。1組に掛かる時間が短いのよ。
今頃2人は注目の的だろう。
頑張れ!
「他国からの留学生の為、ファーストネームだけにさせていただきます。
リュウオー様。
フォンティーヌ・エルクエール公爵家令嬢」
リュオのファーストネームは、リュウオーなのね。
まさか、竜王?いや、それは敬称であって名前じゃないか。
挨拶をして、その場で待つ。
前2人と同じように、「おぉ!」いただきました。
これ、聞かれたらリュオの国のドレスって説明して良いのかな?
チラリと視線を向けると、なぜか「ごめん」と謝られた。
いや、別に怒ってないし。
「イライジャ・フォン・ティシエール殿下。
サラシーア・カヌーレイ公爵家令嬢」
今までで1番大きい「おぉ!」いただきました。私じゃないけど。
サラちゃんのメロンとボンキュッボンがとても引き立つドレスですもんね。
え?別に悔しくないですよ?
人には向き不向きと言うものがありましてね。
「マカルディー・フォン・ティシエール殿下。
平民の為、ファミリーネームはございません。
チョコア様」
悪意すら感じる呼び出し係の台詞に、笑いそうになったよ。
いや、係の人が勝手に言うはずないから、多分腹黒殿下の指示だな。
でも大丈夫!誰も2人を気にしてないから。
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