【完結】悪役令嬢に転生したようです。アレして良いですか?【再録】

仲村 嘉高

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乙女ゲーム本編突入です。

第14話:今日は入学式

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 9月のとても晴天の吉日。
 私の心は曇天です。
 今日は王立魔法学園入学式です。
 入学式を見に来たいと言う両親をなんとかなだめて、公爵家の馬車で学園へと向かいます。

 残念な事に、私1人ではございません。
 両親よりも遥かに問題のある兄夫婦が同乗しております。
 妹の晴れ舞台(特に何もしません)を見逃さないように、義姉など妖精を引き連れての参加です。
 私に妖精をつかせて、晴れ姿を記録するそうです。
 えぇ~、お義姉様~貴重な闇魔法、そんな事に使って良いのですか?と、個人的には心配になります。


 兄夫婦と別れて、クラス分けの確認をします。
 学園のクラス分けは能力順ですので、当然私は特級です。
 んん?何故かバカ殿下も一緒です……これが権力の力ってヤツですね。
 公明正大をうたっている割に、権力に屈しているのを表明してますが……私には関係ないので、まぁ、良いでしょう。

 そもそも、本来バカ殿下は一つ上の学年のはずなのです。
 私と第二王子は同い年ですが、バカ殿下は3か月ほど早く生まれています。
 まぁ、どうでも良いです。
 私には関係ないですから。

 確か6月生まれでしたけど、私はその時期『療養中』でしたからね。
 誕生日パーティーは勿論欠席です。
 、バカ殿下の誕生日の1週間ほど前から、中等科の卒業式1週間後まで体調が崩れてしまったのですもの。
 しょうがないですわよね。
 夏前の時期は、季節の変わり目で体調を崩してしまうのですもの。


 しかし、貴族がほとんどのこの学園で、クラス分けの発表が掲示板ってどうなの?
 この辺が『乙女ゲーム』の世界観で、日本式なのか?
 おっと、思考とはいえ本性が出てしまった。

 長年の貴族令嬢生活で対外的な部分では上品になったが、やはり基本はガサツなまま。残念。
 バカ殿下呼びも、ヤツが成長して尊敬できる人物になったら止めようと思っていたが、馬鹿はやはり馬鹿だった。残念。


「お前も特別クラスになれたようだな」

 偉そうな声に振り返ると、予想通りの馬鹿面がいた。
 むしろ、何でアンタが特級にいるのか小一時間問い詰めたい。
 隣で偉そうにしてる2人は……
 アーモンドとカシューナッツ。
 しかもアーモンドは確実に特級に名前なかったぞ。
 カシューナッツは正式名知らんからわからんがな。

「これはマカ殿下。お久しゅう御座います」
 人混みなので完璧なカーテシーは出来ないので、簡易の挨拶をする。
「王族に対してちゃんとした挨拶も出来ないのですか。残念な方ですね」
 残念なのはお前の頭だ。宰相の息子のカシューナッツ。
 今のお前は、私より立場が下だろう?
 自己紹介もなく話し掛けるなんて言語道断だ!
 なので、私からお前は見えない、透明人間だからな!!

「マカ殿下、ワタクシはこれから予定がございますのでおいとまさせて頂きますわね」
 有無を言わせず一息で言い切って、その場を後にする。
 予定なんかないが、三馬鹿と一緒に居たくないわ。

 学園の入学式は、さすがに人数が膨大なので序列で入場なんて面倒な事はしない。
 ただ座る席順は暗黙で決まっている。
 下位の方は正直わからないが、侯爵までは、確実に固定されていた。
 開始時間までを上位貴族用サロンで過ごし、同じ公爵家令嬢のサラと会場に向かう。

 サラは、サラシーア・カヌーレイと言い、例の義姉の妹である。
 義姉と同じ迫力のある美人なので、私と2人並ぶとちょっと近寄り難くなるよ。
 瞳はほんのり赤みがかっているプラムのような色でとても可愛いんだけどね。
 他が迫力満点過ぎる。15歳で既にボンキュッボンだしね。
 悔しくなんてないんだからね!


 会場内に足を踏み入れると、なんかザワザワと落ち着かない。
 入学式でソワソワしてる…なんて、明るい雰囲気ではなく、何となく不穏な雰囲気。
 何でだろう?と、不思議に思いながら自席へ行って理由が判りました。

 私の指定席に座っている人がいます。
 うわぁ、面倒臭ぇ~何で座ってるかな~。


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