503 / 506
行きたい所へ行く!それが冒険。多分
第503話:犯人はオ……
しおりを挟む「はいよ!辛口の熱燗ね!」
作務衣みたいな服を着た人が二合徳利を持って来た。
席には既に、ビールグラスと猪口と取り皿と箸が置いてある。
所謂宴会仕様だな。
別に開会の挨拶など無いだろうと手酌で日本酒を注ぐと、目の前に猪口が差し出された。4つなのは、オーべ以外だからだ。
皆に注いでいる間に、オーべのレモンスカッシュも届いた。
「乾杯」
猪口なので軽く目線に持ち上げるだけにする。
おぉ、五臓六腑に染み渡る。……気がする。
やはり日本人は日本酒だな。
ビールを飲んでる時には「とりあえず日本人ならビールだよな」と言うのはご愛嬌。
瓶ビールは黒い星のが好きだ。
生ビールはスーパーでドライなビールが有名なメーカーだな。
缶ビールは1番に搾ったらしいのが好きだったりする。
まぁ、これが掲示板や配信とかだと、個人の感想ですって入れなきゃいけないのだろう。
「新種の微炭酸な日本酒も有りますよ」
お通しを持って来た店員が飲み物もメニューも持って来た。
「あら、じゃあ私はそれで」
「とりあえず生」
「この生搾り魔物檸檬サワーを」
チャレンジャーだな、レイ。
「ウイスキーロックと炭酸を」
ジルドが変な注文をしてる。それ、ハイボールで良いだろう?
「炭酸をチェイサー代わりにするんだよ」
俺の視線に気付いたジルドが笑う。
「ヴィンが日本酒で酔っ払ってきた時に、レモンサワー頼むだろ?そんな感じだよ」
あぁ、なるほど……?
俺の場合は、柑橘のアルコール分解を期待しているだけなのだがな。
お通しは、クラーケン(蛸)と大根の煮物だ。日本酒に合う!
そしてクラーケンの唐揚げバジル風味に生姜醤油焼き。
次に黄金豚の角煮。これは前もって食材を渡してたのか?
俺が判ったのはここまで。
後は何か美味いものが出てきた……としか。
基本的に大皿に山盛り出て来て、それぞれが好きな物を取るスタイルだった。
歌ってるスープとかあったが気にしたら負けだ。
調理場からカウントダウンが聞こえてくるが、茄子か?焼き茄子か揚げ茄子か。
「これ美味いな。何の肉だろう?」
違う席から聞こえたのは、おそらくシアラの声。
「そちらはポーンラビットのシチューですね」
店員の説明が聞こえる。
このテーブルにシチューは無い。
これからくるのだろうか?
「え?タコ焼き屋さん達は、お店側からの招待だったの?」
突然聞こえてきた声は、驚いた紫蘭だ。
「そうやで。きちんとクラン責任者には許可もらったって聞いとるで」
「【sechs(ゼクス)】から予約入ってるから、美味しい食材持って来てって言われたら~」
タコ焼き屋さんとはれひめは、【sechs(ゼクス)】経由では無く、お店経由の来店だったよ。
俺を含め、メンバーの視線がオーべへと向く。
「言われた……気がする~」
テヘッと笑うオーべは、おそらく全然覚えて無いのだろう。
「そういうとこ、あるわよね」
咲樹が苦笑している。
お店の仕入れ業者で、【sechs(ゼクス)】と関係有ると言っている異界人に声を掛けたらしい店主。
他にも何人か居たはずなのに、今日は来てないらしい。
情報漏洩も、その自称【sechs(ゼクス)】関係者なのかもな。
余談だが、はれひめは店経由ではなく、知人として招かれたかったらしい。
今回は冒険メインだったから職種的に声を掛け無かったのだが、次回は誘ってやろう。
209
お気に入りに追加
1,417
あなたにおすすめの小説
転生王女は現代知識で無双する
紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。
突然異世界に転生してしまった。
定番になった異世界転生のお話。
仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。
見た目は子供、頭脳は大人。
現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。
魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。
伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。
読んでくれる皆さまに心から感謝です。
ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り
星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
注意事項
※主人公リアルチート
暴力・流血表現
VRMMO
一応ファンタジー
もふもふにご注意ください。
VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件
こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。
だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。
好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。
これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。
※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ
運極ちゃんの珍道中!〜APの意味がわからなかったのでとりあえず運に極振りしました〜
斑鳩 鳰
ファンタジー
今話題のVRMMOゲーム"Another World Online"通称AWO。リアルをとことん追求した設計に、壮大なグラフィック。多種多様なスキルで戦闘方法は無限大。
ひょんなことからAWOの第二陣としてプレイすることになった女子高生天草大空は、チュートリアルの段階で、AP振り分けの意味が分からず困ってしまう。
「この中じゃあ、運が一番大切だよね。」
とりあえず運に極振りした大空は、既に有名人になってしまった双子の弟や幼馴染の誘いを断り、ソロプレーヤーとしてほのぼのAWOの世界を回ることにした。
それからレベルが上がってもAPを運に振り続ける大空のもとに個性の強い仲間ができて...
どこか抜けている少女が道端で出会った仲間たちと旅をするほのぼの逆ハーコメディー
一次小説処女作です。ツッコミどころ満載のあまあま設定です。
作者はぐつぐつに煮たお豆腐よりもやわやわなメンタルなのでお手柔らかにお願いします。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
生産職から始まる初めてのVRMMO
結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。
そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。
そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。
そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。
最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。
最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。
そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる