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行きたい所へ行く!それが冒険。多分
第500話:噴水広場は混沌としている
しおりを挟む悪友達と馬鹿な事をしながら、噴水広場から動かずにいるのには理由がある。
今日は、予約をしてあるレストランへ行くからである!
オーべとジルドが『美暴食街』へ来てすぐに予約をしていたレストランは、食材を持ち込むと調理をしてくれる創作料理の店なのだとか。
冒険に出る前に二人が話していた異界人の店だ。
俺の食材は商業ギルドで放出してしまったが、俺以外はまだ皆持っているらしい。
『しきしま』から『美暴食街』までの間に狩った総量も、従魔分があるので普通では無い量だったからな。それを均等割で押し付けましたが何か?
それぞれ自分のパーティーが狩った物だけにしましょう!などとなったら、うちは大変な事になる。
なぜなら俺が役立たずでも、【仮名】は必ずオーバーキルになるからだ。
前に戦闘で嫌ってほど見た。厳密には瞬殺過ぎて、俺には見えてないけどな……。
お馬鹿な咲樹やレイは放置して、他の面子を待つ事にする。
レイに頭突きをかましていたヨミが戻って来たので抱き上げて、噴水の縁に座っ……おぉう!
「高い高~い」
凄い勢いで持ち上げられた。上にぶん投げられるかと思う勢いだったが、体はガッチリと掴まれてた。良かった。
<ぎゅっ!>
俺の腕を振りほどいたヨミが見事な跳び蹴りを、犯人の顔に炸裂させた。
従魔からの攻撃は基本的には効果が無いのだが、圧や衝撃はある程度伝わる、はず。だからヨミの攻撃は、俺ならば簡単に吹っ飛ぶ致命的なものだ。
しかし、嬉しそうに笑ってるユズコの顔を見ていると、あまり自信が無い。
「今日も元気だな!ヨミ!」
今の攻撃を元気で済ますコイツの頭の中と、体力だか筋力だかが怖いと思う。
「壁まで吹っ飛びたくなかったら~、そろそろヴィンを降ろした方が良いよ~」
オーべが軽い口調で忠告をする。
うん。早くしないと、うちの執事さんか躾係が突進するからな。
因みにオーべは軽~く「壁まで」などと言っていたが、『美暴食街』の噴水広場は外壁までかなり遠い。間に散策出来る林もある。
「はい。すみませんでした」
ユズコが謝りながら、俺をガルムの背中に乗せた。
さすがのユズコもガルムの体当たりは遠慮したいらしい。
いつの間にか斗苫斗的が来ていて、自分のペットのマンドラゴラのマテリアルを、うちのトレント隊に紹介している。
トレントの中の一体がワサワサ揺れて、実を1つ落とした。
「え?くれるの?」
斗苫斗的が拾った実を手に質問すると、実を落としたトレントの枝が前にバサリと動いた。頷いたのか?
実が派手な色付きなのは、オコジョ瑪瑙の影響だ。トレント自体も属性が付いたから派手な色になっているがな。
実を手にした斗苫斗的がなにやら騒いているが気にしない。
うちでは従魔達のオヤツである。
他で見なかろうが、実にも属性が付いていようが、うちでは魔物果物と同じ扱いだからな。
因みに、人間が食べても美味しくはないらしい。ユズコ談。
食ったのかよ!
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記念すべき500話ですが、気の抜けたお話でした(笑)
いや、とても「ほんわりゲーム~」らしいですね!
応援ありがとうございます!
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