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行きたい所へ行く!それが冒険。多分

第483話:いざ、『美暴食街』へ?

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 当たり前だが『いつきしま』まで問題無く来た。
 問題、無かったよな?
 大丈夫、想定内。
 だって誰も何も言わないし。

 オーべのテンションが妙に高い位だろう。
 何か密約?がバハムートとの間で有ったらしい。
 新しいペットが増えるのかなぁ?オーべさん。


「こっちだ」
 真っ直ぐ進もうとした俺を、シアラが止めた。
「『美暴食街』に行くんだよな?」
 あ、そうだった。
 このまま行くと『魔動物街』に行ってしまうのか。
「すまん。ありがとう」
 素直にお礼を言うと、笑顔で手を振られた。

 しつこいようだが、笑顔だよな?
 顔も狼だから、本当に表情が読めないのだ。
 実は性別も未だに謎である。
 口調もどちらとも取れるのだが、これが素らしい。
 リコンス情報。


あるじよ、あの者に付いて行っていのだな?>
 ガルムに聞かれる。
「ああ。『魔動物街』ではなく、『美暴食街』を目指すからな」
 俺の説明に反応したのは、ガルムでは無くリルだった。

<そうなのか。では、あの豚の群れは狩れ無いのだね>
 豚!?
「豚!?」
「豚って、あの豚!?」
「高級食材!」
 俺よりも驚いた反応をしたのは、シアラとミロ達【spinnengewebe(シュピネンゲヴェーベ)】だ。

「高級豚は、『美暴食街』の方に居るんじゃないの?」
「え?じゃあ別の豚?」
「でもヴィンクオリティだぞ」
 おい。その言葉の意味を詳しく教えてもらおうか?ミロ。
「何にしろ豚でしょ?行きましょう!」
 紫蘭の目に¥マークが見えるのは気のせいでは無いだろう。
 高級豚ではなくても【ペットカフェ】で使えるだろうからな。



 えぇと。豚って話だったよな?

 従魔達の軽い足取りに付いて行った先は、広い草原だった。
 草原というが、生えている草は俺の首まである。
 そしてそこに居た豚。
 猪の間違いでは?と思った理由は、口に生えた牙だ。
 色は黒や焦げ茶なのも、猪っぽい。
 そして一匹の大きさがおかしい。

 俺の知っている豚では無い。
 全長3メートルって、牛より大きいよな。
 象と同じ位か?
 それの群れである。
 怖っ!!


「高級豚~!!」
「いやっほぅ!狩れ狩れ狩れ!」
「whoohoo!」
 飛び出したのは、【spinnengewebe(シュピネンゲヴェーベ)】だ。
 次にシアラとリイド。リコンスは見学らしい。

 え?従魔達?
 気付いたら居なかったけど何か?
 俺の胸元で寝ていたはずのヨミまで、服の下からスルンと抜け出ていましたよ。
 ガルムの上には、俺とネルとユキ。
 それと戦闘に参加出来ないペット達だな。
 トレント達まで行くとは思わなかった。

 そしてなぜかバハムートも一緒になって見学している。
「お前は参加しないのか?」
 思わずバハムートに聞くと、首をクルンと傾げられた。
<拙者が行く必要は無いでござろう>
 まぁ、確かに。
 今でさえオーバーキルだからな。

<それに、早く名前を決めねばならぬからな>
 魚だから表情は読めないが、真剣に悩んでいるようだ。
 名前が決まるまでは従魔にならないようだし、好きにさせておこう。


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