ほんわりゲームしてます

仲村 嘉高

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行きたい所へ行く!それが冒険。多分

第478話:やらかした犯人は……

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 周りの人達が苦しんで?いる中、俺は涼しい顔でガルムに乗っていた。
 なぜならレベルアップ音が鳴っていないから。
 いやぁ、さすがに俺も驚いたのだが、ここに居る面子の中で、俺が1番レベルが高いようだな。
 周りの様子を見て、同盟を組まなかった三人が「組まなくて良かった」と呟いていたのは、聞こえなかった事にした。


ユズコ:凄えな!レベルアップした!


 いきなりユズコからチャットが入った。
 驚いているので、どうやら未知の生物を狩ったのは、もう1チームのようだ。
 ムンドを中心とした爬虫類チームだ。
 ん?ムンドはうちの子だけど、一緒に居るハナサンとピリリはオーべのペットだし、ルチルは紫蘭の従魔だ。
 俺の責任、ほぼ無いな!

「責任転嫁する気満々でしょ~?」
 隣に寄って来たオーべが俺を見上げてニヤリと笑う。
「責任転嫁ではなく、事実をだな」
「同盟組んでない紫蘭がレベルアップしてなくて~、でもルチルは一緒に行ってるよね~。その心は~?」
 オーべに問われて、言葉に詰まってしまった。
 ルチルは戦闘に参加していないのか。
 それなら多分ピリリもだろうな。二匹でムンドの頭の上だったし。

「ハナサンとムンドか」
 リヴァイアサンとヨルムンガンドなら、狩り放題だよな。
 それこそクラーケン(烏賊イカ)とかな。
 いやいや、自分でフラグを立ててはいかんな。
 まだクラーケン(蛸)も消費しきれていない。
 今回の『美暴食街』で死蔵品デッドストックを全部出すつもりだ。
 ここで食材を増やす気は無いからな、頼んだぞ、ムンド。
 いや、もう狩った後だから、遅いのだが一応な。


ユズコ:おーい!誰か反応してくれよ


オーべ:あぁ~、ごめ~んね~
咲 樹:あ、ゴメン。放心してたわ
ジルド:ユズコチームじゃなかったのか
レ イ:何を狩ったのでしょうね


 俺も参加しようとしたら、犯人からの念話に邪魔された。
あるじ!デカイ魚狩ったら、小さい魚になった!連れてく?>
 うぅん、見事に意味不明なムンドからの念話。
 通訳のリルも居ないし、さて困ったな。

<ムンドよ、巨大魚は倒したのだな?>
 ガルムが問い掛ける。
 さすが俺の執事さんだ!頼りになる。
<巻いて絞めた!>
 ムンドの単独犯だった!!
<ふむ。其奴そやつが何だったか判るか?>
<バハムートだな!>
「バハムート!?」
 思わず声に出してしまったら、皆の視線がバッとこちらを向いた。

「え?ヴィン?バハムートって何?」
 1番近くに居たオーべに問われる。
 語尾の伸びていないオーべは危険である。
 誤魔化したりしてはいけない。
「ムンドが巨大魚を狩って、それがバハムートだったらしい」
 俺の説明に、半数が首を傾げる。
「バハムートって竜でしょ?」
 咲樹が皆を代表して聞いてきた。
 だがそれに答えられるのは俺では無い。

「本来バハムートは、大陸を最深部で支えている魚だな」
 俺の期待通り、ジルドが解説してくれる。
「支えてる魚倒したら駄目くない!?」
 ミロが焦って聞いてくる。
 確かに。
<バハムートはルティーヤーの分身体のようなものよの。焦る必要など無いのじゃ>
 ユキがホホホと笑いながら説明してくれた。
 一つも安心要素が無いのは気の所為せいだろう。



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