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行きたい所へ行く!それが冒険。多分
第475話:冒険前の……準備?
しおりを挟む「勿論、僕は一緒に行きますよ」
ミロやシアラ、その他大勢と『美暴食街』まで冒険する事を説明し、皆はどうするかの確認をした。
即答したのはレイだった。
今日は久しぶりに全員揃ったので、魔物人参の収穫競争である。
いや、なぜ?とは思ったが、口にはしなかった。
追いかけっこ、もとい収穫は魔法禁止で、純粋な体力勝負である。
俺は、従魔の使用も禁止された。
前回、追い込み漁の如く子供達にこちらに追い詰めてもらったのだが、ほぼ全部の魔物人参を追い詰めるものだから、ズルいと言われたのだ。
いや、皆も楽で良いと思うのだが。
そもそもだな、2メートル超えのユズコと110センチの俺を同条件で、というのがおかしく無いか?
「待遇の改善を要求する!」
テイマーは従魔がいてナンボの職種だ!
基礎が違うのだよ、基礎が!
しかもハーフリングだぞ!?
ハンデとしてネルが許可された。
ネルはバフ系が得意なので、スピード強化をしてもらった。
魔法禁止だけど、それだとネルの居る意味が無いので、1個だけバフが認められた。
「それで、さっきの話だけど、『美暴食街』に行くのよね?」
人参を追いかけながら、咲樹が聞いてくる。
そのブルンブルン揺れているメロンは邪魔じゃ無いのか?
ネルの視線が咲樹のメロンを追って、顔まで上下してるのが面白い。
他人事ながら、サラシで巻いて抑えたくなる。
「一応の目的地は『美暴食街』だが、『いつきしま』はほぼ素通りだったからな」
俺は、他の街も回る予定だと暗に告げる。
「じゃあ私も行こ~う」
語尾にハートが付きそうな声と言い方をしながらシュッと姿勢を低くした咲樹は、グルンと回し蹴りをし、人参を足止めした。
どこの武闘家!?
賢者だよな?咲樹。
これは、現実の咲樹の身体能力なのだろう。
<凄いにゃ!>
ネルがパフパフと肉球で拍手をしていた。
人参を箱に詰めながら、ジルドとオーベが何やら会話しているのが聞こえてきた。
「食べ物は間違い無く美味いだろう」
「あ~美食の暴食だからね~」
「材料の持込み可の店があったな」
「確か異界人の店だよね~気まぐれシェフのなんたらって店名の~」
「行く道中で、とんでもない食材を手に入れそうだから、予約しておくか?」
「ヴィンだからね~」
うん。二人の中では、行く事は確定なのだな。
俺だからって部分はスルーする事にした。
そして、その人参も持って行くと良いよ。
ペット達と従魔を足しても、食べ切れないからな。
いつの間にか魔物野菜畑が拡張されていた。
始まりはユズコらしい。
うちのチビッ子組と畑を耕すのが楽しくて、ドンドン耕していたらしい。
その耕した所全てに魔物野菜を植えた奴等も同罪だ。
俺と咲樹以外全員じゃないか!
苗を納品したはれひめも共犯認定だ。
日々の手入れをしていたトレント達や、水撒きをしていたリルやハナサンも、勿論有罪。
それにしても、食材の持込みか。
死蔵品になりつつあるフレースヴェルグの肉を出しても良いだろうか?
やっぱり、プーリの手前、ちょっと調理し辛いのだよ。
焼き鳥とか、ソテーとか、照焼きとか、色々メニューは思いつくのだがな。
あ、そうそう。
ユズコは人参追いかけ中に「道中よろしくな!」と、俺ではなくガルムに挨拶をしていたと、収穫が終わった時に報告をされた。
確かにうちの執事さんだけれども!
何か間違えていないか?ユズコ。
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