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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した

第467話:テイマーの常識?

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 さて。本日1番の目的のノロイ(仮)の登場だな!
 こういうの、何か表現する言葉があったような……ヒーローは遅れて登場する、とか?
 ヒーローではないか。
 ヒーロー遅れちゃ駄目だよな。
 主役は遅れて登場、か。

「ノロ……」
 ノロイ(仮)と呼び掛けようとして、ギリギリでとどまる。
 まかり間違って『ノロイ(仮)』って名前のペットになっても困るからだ。
 一度大丈夫だったが、万が一があるからな。
 触らぬ神に祟り無し。

 ノロイ(仮)のテイムが目当てのテイマー達に、場内呼び出し放送を掛ける。
 番号札を配っていたからな、衛兵が。
 働き者だな、衛兵。
 ちょっと彼等の株が上がったよ。


 テイマーって、戦闘職からの転職が多いって本当だな。
 サルボボタイプのゴツい人が大半だ。
 1番の人など、ギルドカードで職業を見なかったら絶対にテイマーだと判らない。
 魔族人狼ワーウルフで近接戦闘向きの装備をしている。
 俺の好奇心で従魔を呼んでもらったら、まさかのキラーバニーとアルミラージでした。

 キラーバニーって、『しょきしま』からいる弱い魔獣モンスターだよね。
 テイムしてるからか、フィールドで見るより大分可愛い。
 アルミラージも普通のだからか、ヨミのような戦闘狂バトルジャンキーな雰囲気を感じない。

「え?戦闘出来るのか?」
 思わず聞いてしまった。そして後悔した。
「そんな可哀想な事!」
 はい?
 テイマーって、従魔に戦わせる職業じゃなかったっけ?


 とりあえず「我が意に従え テイム」は禁止にして、一人5分のお見合い時間を設けた。
 いや、だって、本当にお見合いの席みたいだったのだ。
 待遇とか、どれだけ良い環境を用意出来るかとか、自分の所属するパーティーやクランの優秀さとか。

 待遇や環境は、規格外のリルやトレントの居るうちのクランハウスには敵わないと思うのだが、敢えて口を挟まなかった。

 なぜかノロイ(仮)の所に行く前に、テイマー達が俺に従魔を紹介していくルールが出来ていた。
 最初のテイマーが紹介していたのを見て、真似しているようだ。
 いや、別に審査とかしてないからな、俺。

 一度「別に従魔は見せなくて大丈夫だ」と断ったら、凄く悲しそうな顔をされて、結局見せてもらった。
 強い従魔ほど、ガルムを見て萎縮するから可哀想なのだが、しょうがないのだろう。

 マーダーグリズリーやマーシュドラゴンの怯え方は、本当に可哀想だった。
 あ、あとマーダースネーク。
 テイマーの体にグルグルに巻き付いてた。
 刀みたいな角が生えている狼も居たな。
 即、服従のポーズをしてたけど。
 まだ俺の行けない地域の魔獣モンスターなのだろう。


 テイマーは大きく分けて2種類なんだな。
 完全に従魔をペットとして可愛がっている人と、戦闘の相棒としている人。
 属性オコジョをペットにしようってイベントに参加するような人達だからか、サルボボのように従魔を物として扱うような人は居なかった。

 ただ、名前を付けていない人が多くて驚いた。
 「この子の名前は?」と聞いた時に、戦闘の相棒としている人の殆どが「は?名前?」と驚くのだ。
 そこで「貴方は他のパーティーメンバーを種族で呼ぶのか?」と言うと、納得していた。
 【sechs(ゼクス)】で例えると、ユズコを白虎、オーベをエルフと呼ぶようなものだからな。

 余談だが、その場でマーダーグリズリーに『金太郎』と付けた人がいたが、ちょっと従魔に同情した。


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