上 下
464 / 506
価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した

第464話:あと少し、あと少し頑張れ!

しおりを挟む



 悪友達がオコジョ達と戻って来た。
 転移屋の目がキラキラしている気がしたけど、気付かなかった事にした。
 転移陣に乗りリヴァイアサンの池へ。
 あれ?トレント達が居ないな。
 転移陣前に集まるように言っておいた筈なのに。
 フリーの属性オコジョも居ない。

 召喚するか迷っていたら、畑の方向からワサワサと歩いて来た。
「どうした?池の前に居るように言っておいた……何それ」
 何かトラブルでもあったのかと聞こうとしたら、トレント達が両手いっぱいに野菜を持っている事に気が付いた。

<キィキィキィ>
 うちの従魔の中で、1番何を言ってるのか解らないのがトレントだ。
 何せ表情が変わらない。
<オコジョ共と約束をしておるそうだ>
 ガルムが通訳してくれる。

「約束って、ご飯あげるから一緒に行こうって事か?」
<おそらくの>
 マジか。
 農業従事者ファーマーだと属性オコジョをペットにし易いかもしれない。
 野菜だけかと思いきや、後ろの二体は魔物果物を持っている。
 クランや家を持っている人は、魔物果物の木を植えると良いよ!とアドバイスしたい。

 そういえば、魔物野菜も食べるよな。
 レイやジルドがよくあげていたな、まだイタチ(仮)だった頃に。
 家庭菜園でも大丈夫そうだから、はれひめに言って魔物野菜の苗を用意してもらおう。


あるじよ、まだ集めるのか?>
 ガルムに言われて周りを見回すと、予想以上の属性オコジョが居た。
 一部野生ウサギが居るけど、どうせペットにはならないし良いか。
 野生ウサギはカラフル兎と違って、柄がある。
 何かあれば転移陣で森に戻れるし、ペット以外はふれあい広場の柵は越えられない。
 よし、大丈夫。

「はい、じゃあ移動します。トレント二体ずつ転移陣で移動して。属性オコジョ達は、トレント達について行くように!」
 引率の先生になった気分だな。
 騒いだりふざけたりするのが居ない分、子供の引率よりは楽だけど。

 転移陣の向こう側では、レイとジルドがフリーの属性オコジョに番号札を付けているはず。
 番号札、何番まで用意したのだろう。
 まぁ足りなくなる事は無いよな。
 多分。


 トレント六体と属性オコジョ達と野生ウサギが転移陣で移動したら、向こう側からレイが来た。
「あと何匹位いますか?番号札が100までしか無くて」
 どうやら思ったより多いらしい、属性オコジョ。
「あと三十匹位だな」
 この後、悪友達のペットの属性オコジョ達がどれくらい連れて来るかによるが、100は超え……超えるかもな。

「今、斗苫斗的ととまとまとが向こう側で野生ウサギ用の番号札を作ってます。属性オコジョ用も必要となると、タカアシガニにも協力を要請しないとなりません」
 イベント会場でもこき使われちゃってるよ、斗苫斗的。

「それなら、野生ウサギは行かせないようにするか?」
 俺の提案に、レイが目を見開いた。
「他の子達がお出掛けしてるのに、可哀想じゃないですか!」
 あ、そういう認識?
「しかも一度は行かせておいて、やっぱり駄目って酷いですよ」
 あぁ、うん。すみませんでした。


 属性オコジョ達の移動が終われば、一応イベント準備は終了だ。
 大きなトラブルも無く、無事にイベント開催出来そうだな。
 後少し、後少しだから頑張れ!
 主に斗苫斗的。


しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

継母の心得 〜 番外編 〜

トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。 【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。

黒ハット
ファンタジー
【完結】ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる

小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です  2024年6月中旬に第一巻が発売されます  2024年6月16日出荷、19日販売となります  発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」 中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。 数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。 また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています 戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています そんな世界の田舎で、男の子は産まれました 男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました 男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります 絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて…… この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです 各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

処理中です...