ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した

第461話:更に大々的になってないか?

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 屋台が並んで、段々とイベント会場らしくなって来た。
 フードコートのように、テーブルと椅子も用意されている。
 当日は、俺も屋台を回りたいなぁ。
 タコ焼き、串焼き、ハンバーガー、アメリカンドッグ、カレー、アイスクリーム、鈴カステラ、ポーンラビット……ポーンラビット歩兵兎!?

「何で『いつきしま』の住人NPCが『しきしま』で屋台出してるわけ!?」
 あのオヤジ達が仲良く設営している。
 今回は丸ごと売るわけじゃなく、ケバブのように削ぎ落として売るようだ。
 看板にそう描いてある。
 隣には、ちゃっかりパン屋が屋台を出しているのは、同じ街の住人か?


「おう!久しぶりだな!」
 近付いて屋台を確認したが、ちゃんと出店許可証を付けていた。
「全然知らなかったのだが、いつ申請していた?」
「ん?うちに来た冒険者がイベントの噂しててな!教会経由で申し込んだんだ!」
 教会からクランへ書類が回ってきて、それを許可していたらしい。

「え?だって、ポーンラビットは皆が大好きですよね?」
 どうやらレイが許可したようだ。
 その皆は、従魔達の事を言ってるだろ、お前。
 レイがオヤジ達に近付いて、何か話してる。
 あ、ポーンラビットの骨を貰ってるよ。
 属性オコジョライダーズのオヤツかな。
 うちの子の分も入ってるのだろうなぁ。


「教会経由で住人NPCが申し込む事はシステム上可能ですが、本当に申し込んだのを見るのは初めてですねぇ」
 おわぁ!!吃驚ビックリした!
 急に後ろから話し掛けられて驚いて振り向くと、いつもの不動産屋さんだった。

「うちもねぇ、新しいサービス始めるので屋台?に参加するんです」
 指差した先には、不動産屋出張所の看板。
「ほら、家もクランも無い人は、ペットを飼えないでしょう?預かり所が出来ました」

「それは【ペットカフェ】のペットホテルみたいな?」
「いえ。あそこはカラフル兎とか小動物限定だし、店内で遊べますよね?うちは制限が無い代わりに、本当に預かるだけです。従魔も預かりますよ」
 へぇ~。それはテイマーが増えそうだな。
 それにしても……うん。

「だったら、カラフル兎イベントの前に解放するべきだったのでは?」
 あ、不動産屋さんが固まった。
「君にだけは言われたく無い!こんなにカラフル兎が人気になって、ペットにしなかった人達に、今、運営うちがどれだけ怒られてるか!!」
 両手で顔を覆って泣き真似を始めた。
 えぇ~。さすがにそれは、知らんがな。


「すみませ~ん!イベント責任者の人~」
 衛兵に呼ばれた。
 クラン主催だからオーベが責任者?
 いや、発案俺だから、一応は俺になるのか?
「はい」
 手を上げたら、怪訝そうな顔をされた。
「……保護者は?」
 誰が子供だ!!

 「遊んでる暇は無い」と素気無すげなく言ってきた衛兵の制服の首根っこをガルムが咥えて、会場の外へと放り出して来た。
<用事があれば、また来るであろう>
 フンッと鼻息荒く言ったガルム。
 久しぶりに見たなぁ、ガルムの怒りモード。

 あれ?でも責任者探してなかったっけ?
 まぁ良いか。
 切羽詰まったような感じは無かったしな。


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