461 / 506
価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した
第461話:更に大々的になってないか?
しおりを挟む屋台が並んで、段々とイベント会場らしくなって来た。
フードコートのように、テーブルと椅子も用意されている。
当日は、俺も屋台を回りたいなぁ。
タコ焼き、串焼き、ハンバーガー、アメリカンドッグ、カレー、アイスクリーム、鈴カステラ、ポーンラビット……ポーンラビット!?
「何で『いつきしま』の住人が『しきしま』で屋台出してるわけ!?」
あのオヤジ達が仲良く設営している。
今回は丸ごと売るわけじゃなく、ケバブのように削ぎ落として売るようだ。
看板にそう描いてある。
隣には、ちゃっかりパン屋が屋台を出しているのは、同じ街の住人か?
「おう!久しぶりだな!」
近付いて屋台を確認したが、ちゃんと出店許可証を付けていた。
「全然知らなかったのだが、いつ申請していた?」
「ん?うちに来た冒険者がイベントの噂しててな!教会経由で申し込んだんだ!」
教会からクランへ書類が回ってきて、それを許可していたらしい。
「え?だって、ポーンラビットは皆が大好きですよね?」
どうやらレイが許可したようだ。
その皆は、従魔達の事を言ってるだろ、お前。
レイがオヤジ達に近付いて、何か話してる。
あ、ポーンラビットの骨を貰ってるよ。
属性オコジョのオヤツかな。
うちの子の分も入ってるのだろうなぁ。
「教会経由で住人が申し込む事はシステム上可能ですが、本当に申し込んだのを見るのは初めてですねぇ」
おわぁ!!吃驚した!
急に後ろから話し掛けられて驚いて振り向くと、いつもの不動産屋さんだった。
「うちもねぇ、新しいサービス始めるので屋台?に参加するんです」
指差した先には、不動産屋出張所の看板。
「ほら、家もクランも無い人は、ペットを飼えないでしょう?預かり所が出来ました」
「それは【ペットカフェ】のペットホテルみたいな?」
「いえ。あそこはカラフル兎とか小動物限定だし、店内で遊べますよね?うちは制限が無い代わりに、本当に預かるだけです。従魔も預かりますよ」
へぇ~。それはテイマーが増えそうだな。
それにしても……うん。
「だったら、カラフル兎イベントの前に解放するべきだったのでは?」
あ、不動産屋さんが固まった。
「君にだけは言われたく無い!こんなにカラフル兎が人気になって、ペットにしなかった人達に、今、運営がどれだけ怒られてるか!!」
両手で顔を覆って泣き真似を始めた。
えぇ~。さすがにそれは、知らんがな。
「すみませ~ん!イベント責任者の人~」
衛兵に呼ばれた。
クラン主催だからオーベが責任者?
いや、発案俺だから、一応は俺になるのか?
「はい」
手を上げたら、怪訝そうな顔をされた。
「……保護者は?」
誰が子供だ!!
「遊んでる暇は無い」と素気無く言ってきた衛兵の制服の首根っこをガルムが咥えて、会場の外へと放り出して来た。
<用事があれば、また来るであろう>
フンッと鼻息荒く言ったガルム。
久しぶりに見たなぁ、ガルムの怒りモード。
あれ?でも責任者探してなかったっけ?
まぁ良いか。
切羽詰まったような感じは無かったしな。
237
お気に入りに追加
1,451
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】巻き込まれたけど私が本物 ~転移したら体がモフモフ化してて、公爵家のペットになりました~
千堂みくま
ファンタジー
異世界に幼なじみと一緒に召喚された17歳の莉乃。なぜか体がペンギンの雛(?)になっており、変な鳥だと城から追い出されてしまう。しかし森の中でイケメン公爵様に拾われ、ペットとして大切に飼われる事になった。公爵家でイケメン兄弟と一緒に暮らしていたが、魔物が減ったり、瘴気が薄くなったりと不思議な事件が次々と起こる。どうやら謎のペンギンもどきには重大な秘密があるようで……? ※恋愛要素あるけど進行はゆっくり目。※ファンタジーなので冒険したりします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる