ほんわりゲームしてます I

仲村 嘉高

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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した

第459話:イベントを主催するのって大変だな

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 属性オコジョのイベントスペースはメイン会場なので、警備はクラン員も参加すると追加説明をした。
 さすがに属性トレント達だけじゃないぞ!
 それとペットの属性オコジョ達が、危険を察知したら飼い主に連絡するから、意外と死角は無いと思う。

「屋台は食べ物と物品の両方ですね。え?このお店……」
 一応、屋台で参加表明している店のリストも提出したのだが、どこで驚かれているのか解らない。
 ほぼ身内の屋台だからな。
 もしや例の広場の屋台が軒並み参加してるのがまずいのか?

「イベント当日は広場から屋台が無くなる……と。【ペットカフェ】も臨時休業。有名職人の屋体……」
 余白にサラサラと何かメモしていく神官。
 そしてガバッと顔をあげてこちらを見た彼は、ニッコリと笑った。

「会場の規模をもっと大きくしてくださいね。そして警備ではなく会場整理として、衛兵を入れてください。最低でも百人です」
 うえぇぇえ。客より衛兵が多いって事は無いだろうけど、それでも多過ぎないか?
「それをしないなら、許可出来ません」
 キッパリハッキリと言い切られたので、渋々だが了承した。

『commerce(コマース)』の衛兵とは関わりたくなかったのだがなぁ。
 別のイベントが開催されそうで嫌だ。
 とりあえず、例の衛兵だけはメンバーに入れないように、絶対に入れないように念押ししておこう。



 教会での申請書の写しを持って、衛兵詰所へ向かう。
 教会を出た所でガルム召喚!
「はぁ、癒される」
 ガルムの胸の毛エプロンに抱き着いて癒されていたら、胸元のヨミがモゾモゾしだした。
<きゅきゅ!>
 ん?どうした?
 俺の胸元から飛び出したヨミは、ガルムの頭の上を陣取った。

「ガルム、嫌なら落としても良いぞ?」
<別に気にならぬからの>
 こうやってガルムが甘やかすから、ヨミがなのかなぁ。
<きゅきゅう!>
 ガルムの頭の上から、ヨミがこっちを見て何かを訴えている。
<テラを呼んで欲しいと言っておる>
 ヨ~ミ~ちゃ~ん~!
 遊びに来たわけじゃないからな。
 まぁ、呼ぶけど。


 あの衛兵に絡まれてからは門を利用しなかったので、凄い久しぶりだな。
 衛兵詰所の前には、オーベとレイとジルドがいた。
 あれ?予定より人数が多いぞ。

「オーベ、待たせたか?そして、なぜレイとジルドが居る?」
 相変わらずどこの迷宮ダンジョン探索ですか?という程の重装備の三人。
 もうね、詰所の前を警備してる衛兵が落ち着き無く、こっちをチラチラチラチラ見ているからね。

 どうせなら従魔全員連れて行くか、と提案したら、なぜか却下された。
 お前達の本気の装備より、従魔達の方が可愛い分マシだと思うけどな!


 そんなこんなで衛兵詰所受付。
「責任者の方と面会をお願いします。必要ならアポを取って出直します」
 本当にそう思っているか?の、威圧感満載のオーベ。
 レイとジルドは、見事な無表情だ。怖っ。
 もうね、【cinq(サンク)】の中ではここの衛兵詰所は敵認定されているからな。
 自業自得なので、俺も取り成す気は無いけど。

 前回の騒動の記憶がまだあるのだろう。
 受付ではなく、側を通った衛兵が気付いて走って行った。
 受付がそれを見てガッカリしている。
 俺達から逃げたかったのだろう。
 別に今日は、何もしないつもりなのだがなぁ。
 俺としては教会に言われたから来ただけだしな。


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