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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した

第453話(閑話):笹の葉サ〜ラサラ〜(季節話)

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季節物の話ですので、本編とは切り離してお読みください。

いつもどおり何も起きません(笑)
────────────────



 七夕も残り2日。何日も七夕があるのが不思議だが、そういう物だと慣れるしかないな。
 とにかく、今日は七夕飾りの結果発表である。
 俺は、凄くシンプルな短冊と星形に加工されたガラス?のみの飾りに投票した。
 ガラスじゃなくて、スライム板なのかもな。
 因みに短冊は、あくまでも飾りなので何も書いていなかった。


《七夕飾り品評会、結果発表です。得票数とクラン名が発表されます》

 お!発表きたね!
 中空に大きな画面が浮かび上がる。

《投票時のコメントなどは、特設サイトでご覧になれます。クランハウスなどに見学に行く際は、クランに迷惑が掛からないようにご配慮ください》


 10位から七夕飾りの3D画像とクラン名、得票数が映されていく。
 知らない名前ばかりだ。
 当たり前だな。俺が知っているのは【愛でるもの】だけだった。
 ミロの【spinnengewebe(シュピネンゲヴェーベ)】は、クランじゃなくてパーティーだしな。

 しかし3位に知った名前が入っていて、吹いた。
【愛でるもの】だ。
 生産者三人が本気を出したようだな。
 オコジョ瑪瑙の加工品や爺さんの所のチェーン、キラキラ光るリボンなど、宝飾品店の店頭にありそうなくらい豪華な七夕飾り。
 小物を生産者三人が作って、飾り付けは女性陣かな。あ、中身の性別で。

 2位は全然知らないクランだった。
 仙台の七夕祭りのあの飾りが小さくなったようなのが、いっぱいぶら下がっていた。
 現実リアルだと重みで笹が耐えられないから、限定なのも高得点なのかな。

 1位は、俺の投票したあの七夕飾りだった。
「シンプルで、七夕らしくて、良いですよね」
 いつの間にか隣にいたレイが話し掛けてきた。
「お前もこれに投票したのか?」
「はい。ヴィンもですか?」
 嬉しそうに聞いてくる。
 俺が頷くと、更に笑顔になったな。
 よほどこれが気に入ったのか?



 残り2日間。
 クラン前が観光地のようだった。
 飾りを盗もうとしたやからもいたが、何か特殊な処置がされているのか、外れなかった。
 因みに、笹を切ったり折ったりも出来ない。
 クランハウスに転移陣が設置されていて良かったと、本気で思ったよ。


 七夕も残り数時間となった。
 『commerce(コマース)』の噴水広場へ一度転移してから【ペットカフェ】へ行く。
 店の前には、あの派手派手七夕飾りがあった。
 2本あったんだな。クラン員数で本数が違ったのかもしれない。
 3位のは宝飾品店だったが、もう1本の方はオモチャ屋って感じだ。
 俺はこっちの方が好きかもしれない。

「惜しかったね~11位」
 声を掛けられたので振り返ると、ミロだった。
「そうなのか?」
「え?自分のクランの順位確認してないの?気になんない?」
「別に。楽しく皆で作れたから良いかな」
「それか!うちのクランに足りないのは、その自然体な感じか!」


 その後、ミロと一緒にお茶をして、クランハウスに帰って来た。
 ミロとリコンスと一緒に。
 帰りは転移陣を使わず、従魔達の運動と気分転換を兼ねて『commerce(コマース)』からクランハウスまで皆で走って来た。
 プーリだけは俺と一緒にガルムの上だったけどな。
 ミロとリコンスは、リルに乗っていた。

 クランハウスの前で待っていると、ユズコを筆頭に他のメンバーも出て来た。
 観光客というか野次馬達は、俺が来た時点で少し後ろに下がっている。

「わはははは!うちの七夕飾りは、これが完成形だ!」
 大きく息を吸い込んだユズコが、息に魔力を込めて吐き出す。
 それを咲樹が風魔法で七夕飾りに巡らせた。

 動物や吹き流し、提灯や金魚、なんと織姫や彦星までが実体化した。
 楽しそうに動物が笹の上で遊び、吹き流しが実体化した天の川で金魚が泳ぐ。
 提灯に照らされて、織姫と彦星が手を繋いで踊っていた。

 1分後、実体化した折り紙達はサラサラと消えていく。
 一夜飾りの七夕飾りに相応しい終わり方だと思った。
 野次馬達から、パラパラと拍手が起こり、最後には拍手喝采になっていた。
 ミロもリコンスも、凄い勢いで拍手している。
 俺も一緒に拍手していた。

 うん。良い七夕がだったな。

 笹は、7月8日になった時点で消えた。
 飾られていた小物は、クランハウスの玄関にあった。
 咲樹が折った折り紙が多く残っていたのは、見なかった事にした。



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出て来ないですが、1位はあの工房ですwww
七夕話、これにて終了です(^.^)
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