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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した

第452話(閑話):七夕祭り!(季節話)

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季節物の話ですので、本編とは切り離してお読みください。
いつもと同じ感じです(笑)
────────────────


 綺麗に飾り付けられた七夕飾りを見て、皆で満足気に頷いていた。
 折り紙を飾り付けている途中で属性オコジョ達がオコジョ瑪瑙を持って来て、飾って!と言わんばかりに差し出して来たので、飼い主の采配に任せた。
 全員、全部飾ってたけどな。
 ジルドの蝶と相俟あいまって、良い雰囲気ではある。
 七夕っぽくは無いけど。

<綺麗だにゃ>
<ほんに、みやびじゃのう>
 ネルとユキが七夕飾りを見て目をキラキラさせている。
 やはり女の子だな。


《もうすぐ品評会が始まります。まだ飾り付けが終わっていないクランは、早く終わらせましょう》

 んん?品評会?
 理解が追い付かなくて首を傾げていると、オーベがテヘっと笑った。
「これ、クラン対抗七夕飾り合戦なんだよね~」
 驚いているのは俺とユズコと咲樹。
 クラン責任者のオーベと、副責任者のジルドとレイは知っていたのだろう。
 笹への飾りの付け方とか知ってたから、おかしいとは思ってはいたが……。

「品評会ってどうやるんだ?まさかこれを切って会場に持って行けとかじゃ無いだろうな」
 ジルドがオーベに質問する。
 責任者とサブでは、情報量が違うらしい。
「時間になったら3D画像が特設サイトにアップされるらしいよ~。それ以降に飾り付けた物は、画像に反映されないんだって~」
 成程な。それなら本物はここに在るままか。

「気に入った飾りに投票するんだけど、自分のクランには出来ないよ~。後、結果発表まではどのクランの物か内緒~」
 まぁ、そうだよな。
 クラン名わかったら、七夕飾りの出来不出来関係無く、単なる人気投票になるか。

「でもクランハウスの前にあったら、バレちゃわない?」
 確かに!
「それは大丈夫です。この線から中の様子は、クラン員にしか見えなくなっています」
 芸が細かいな!運営!
 ん?言葉使い間違ってるか?
 気配り上手だな!運営!
 何かが違う気もするが、まあ良いか。


「じゃあ短冊たんざく書こうか~」
 オーベに言われて、何か物足りないと感じていた理由が判った!
 七夕と言えば、短冊だよな!!
 短冊には名前を書くから、敢えて時間後にしたようだ。
 勝負は正々堂々と!なのかと思ったら、「下手に咲樹やレイの願いが読み取られたら、後が怖い」からだとさ。

 俺の願いは『これからも楽しく皆で遊べますように』だ。
 レイとジルドも似たような感じで『いつまでも一緒にいられますように』と『楽しく癒されたい』だった。
 咲樹は『出張反対!』で、願いなのか?
 オーベも『残業が減りますように』と、ちょっと涙を誘った。
 ユズコは『天下泰平』って、どこの武将だお前は。

 従魔達にも聞いてみた。
 ガルムは『主と共に、どこまでも』。
 好きだ。
 ヨミは『強くなって、天下統一!』って、え?何考えてるの?ヨミちゃん。
 テラは『強い獲物をいっぱい狩る』。
 ……狩らなくて良いです。
 リルは『楽しい事をたくさんしたい』だった。楽しい事が何なのか、ちょっと不安だけど敢えて聞かない。

 ムンドは『皆と仲良く!』……頑張れ。お前が変な事しなきゃ大丈夫だぞ。
 ユキとシズカは二匹共『皆といつまでも一緒に』と言う意味だった。前のテイマーがアレだったから、まだ何か不安があるのかな。
 ネルは『安心、安全、安眠、美味しいご飯!』と、出会った時からブレないな。
 プーリは『大空を飛ぶ!』と今後の目標を言っていた。
 まだちょっとしか飛べないからな。

 トレント八体は、全員『幸せ!』だそうだ。
 通訳のリルが嘘を言っていなければな。
 しかし『今、幸せ』なのか『幸せが欲しい』なのか、どっちなのだろうか。


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