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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した
第449話:謎は全て解けた!けど、解決は……?
しおりを挟む「何じゃこりゃあ~!?」
クイーンに連れられて来た爺さんの第一声はコレだった。
「え?トレントの実」
何だと問われたので、素直に答える。
目の前で収穫してたので、間違い無くトレントの実だ。
「馬鹿モンが!そういう意味じゃ無いわい!」
怒られた。理不尽。
「な・ん・で!トレントの実がこんなにカラフルなんじゃ!」
何でと問われてもなぁ。
「いや、それを聞く為に爺さんを呼んだのだけどな」
テーブルに置いてあっあのトレントの実を1つ手に取り、爺さんが真剣に観察し始めた。
5分もしないうちに、爺さんはトレントの実をテーブルに戻し、大きく溜め息を吐いた。
「特に特殊な効果は無さそうじゃが、うっすらと属性が付いておるのう。例えるなら、属性オコジョ程度じゃわい」
属性オコジョ並み?
何となく。何とな~くだが、この実が出来た理由が解った気がする。
「何?何かわかったの?」
リコンスが横から聞いてくる。
さすがにこの中では付き合いが長いだけあって、俺の表情を読み取ったようだ。
「リコンス。加工前のオコジョ瑪瑙あるか?」
「え?私は無いけど、タカアシガニは持ってるんじゃない?」
リコンスの視線を受けて、爺さんがオコジョ瑪瑙を数個テーブルの上に置いた。
皆の視線がトレントの実とオコジョ瑪瑙に注がれる。
「うん、有罪」
「え?誰が?」
「オコジョ?」
「トレント?」
「ヴィン?」
「何でだよ!!」
なぜ皆して「違うの?」みたいな顔で俺を見る!?
言ったリコンス以外も、不思議そうな表情をしているのは納得いかん!
「見事に色味がリンクしているな」
クランハウスのリビング。
トレントの実とオコジョ瑪瑙を1つずつ手に持ったジルドは、目線の高さに持ち上げて見比べている。
「誰が始めたのでしょうねぇ」
同じくレイ。行動がそっくりなのは、双子だからか?
「丁度良い高さに穴が有ったから、入れてみたんだろうな!」
発想が小学生だな!ユズコ。でも多分正解。
普通サイズのトレントは、大き過ぎて属性オコジョの視線の高さに顔は無い。
しかもオドロオドロしくて怖い顔だし。
トレントの幼体は、細くて顔も小さいから、オコジョ瑪瑙が入るほどの大きさの穴が無い。
そもそもの前提として、最弱魔獣の属性オコジョが、野生のトレントに近付くわけないよな。
食われてしまうオチしか思い浮かばない。
だから今までは、カラフルなトレントの実とか発見されて無いのだろう。
うちのトレントは、小さいサイズで、顔はジャックオランタンだ。
悪戯したくなるのも納得だよな。
Trick or Treat。
いや、トレントとしては、悪戯されてお菓子も貰えてるからTrick and Treatか。
まぁ、特に害も無いようだし、トレント達と属性オコジョが仲良しなのは良い事だから、このまま放置で良いか。
カラフルなトレントの実は、爺さんにあげても良いし、【ペットカフェ】の植木鉢に植えても良いか。
そして、この時の呑気な自分の選択を、俺は後々後悔する。
なぜなら、属性オコジョを止めなかったせいで、オコジョ瑪瑙を摂取し続けたトレント達は、実だけではなく、全身がカラフルに染まったからだ。
可愛いよ、カラフルなトレント。
特にうちのトレントは縮小サイズでジャック顔だし。
でもな!それでもな!
何かが間違ってないか!?
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