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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した
第445話:お・友・達
しおりを挟む「えっと、自分は最初はバリバリの前衛職でした」
ピーちゃんのお友達のリザードマン(蜥蜴)に話を聞いている。
「で、正月のカラフル兎イベントの時に気付いたんです。戦闘なら他のゲームでも楽しめるって」
俺は幻想世界しか知らないが、最近は色々なVRMMOがあるらしい。
その中で戦闘特化みたいなゲームもあるのだろう。
「そうよねぇ。そもそもステータスの割り振りとか無い時点で、幻想世界は戦闘特化じゃないわね」
ココアが納得している。
そういえば、そうだよな。
力とか速さとか、知力とか幸運とか、その他諸々がそもそも見られないっていう潔さだよな。
「カラフル兎を飼える環境が無くて、イベント後に泣く泣くサヨナラしたんです。【ペットカフェ】オープンしてくれて、本当にありがとうございます!」
リザードマン(蜥蜴)がココアに抱きつきそうな勢いだけど、気を付けて!
中身女性だから、セクハラ案件だよ!
リザードマン(蜥蜴)は、名乗らずに帰って行った。
曰く「下手に客以上の関係だと周りに思われると、利用されそうで嫌なので」だそうだ。
心の中では蜥蜴さんと呼ぼう。
ピーちゃんとの信頼関係の結び方とか、周りへの接し方とかを見て、絶対に社会人だろうなと思った。
しかも中間管理職以上。
リザードマン(鰐)のリイドと並べたい。
リイドの方が体格が良いのは、職業……では無いか。リイドは白魔術師だった。
そもそも蜥蜴さんは元前衛職だ。
鰐と蜥蜴の違いかな、
見た目もリイドの方がゴツゴツしていて、蜥蜴さんの方がツルリとしている。
蜥蜴さんはニホントカゲっぽいと思う。
「リザードマンの方が好みでしたか?」
蜥蜴さんと分かれて席に着いたら、保護者のように付き添っていたレイが聞いてきた。
コイツは偶に的外れな質問をしてくるよな。
「リザードマンが良ければ、最初に試している。素が殆ど無くなるリザードマンや人狼は最初から除外していた」
それが魅力的だと感じるから、リイドやシアラはその種族選択したのだろうが、俺は俺として遊びたかったのだ。
微妙な顔をされたのはなぜだろうか。
<蛇に触りたいなら、おれを撫でても良いぞ!>
ムンドがスボッと腕と脇腹の間から顔を出した。
びっくりしてその頭を叩き落としたのは、当然の反応だと思う。
<痛い……>
いやいやいや。俺の力ならお前には痛くも痒くも無いと思うぞ。
<そんなところから顔を出した方が悪いと思う~>
ドーロを抱えたテラが、通りすがりに指摘して行く。
<ワタクシもそう思いますわ>
テラの後をフワフワと浮いて追いかけるハナサンが、追い討ちを掛けて行った。
シューンとするムンドの頭を撫でる。
「次から気を付けような」
俺が謝るのは違う気がするので、とりあえず慰めておいた。
コクンと頷いたムンドへ、ネルが近付く。
慰めるのかと思いきや、滑り台をお願いしに来たようだ。
<今日はプーリと遊ぶから、大きめの滑り台にしてにゃ!>
<わかった!最後はポーンと飛ぶパターンだな!>
ムンドが浮上した。結果オーライである。
最後に飛ぶのは良いけど、程々にな~。備品壊すなよ~。
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