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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した
第443話:需要・事情・受動
しおりを挟むレイのライダーオコジョ……オコジョライダー?とにかく、あの六匹のお陰で属性オコジョの人気に拍車が掛かったようである。
だが属性オコジョは最弱魔獣で、今までも極端に目撃例が少なかった生物である。
何が言いたいかというと、要は【ペットカフェ】が今まで以上に混んでいるという事だ。
近くの森では、『属性オコジョをペットにしようツアー』が行われているらしい。
「最近、オコジョの好物とか、好きな香りとか質問されるのよ。知らないわよ、アタシのペットじゃないし」
クランのペットのお家でココアの愚痴を聞いている俺。
属性オコジョは、俺のペットでも無いのだが……。
「それでココアは、今日は態々うちのクランハウスまで愚痴りに来たのか?」
ペットお家のリビングで、オーベ秘蔵のレモンスカッシュを飲んでいる。
当のオーベは、ココアに来訪許可を出した後、咲樹に呼び出されてログアウト中である。
会社で何かあったのか?
「あ!そうだったわ!目的忘れてた!」
駄目だろ、ココア。
このウッカリな性格のせいで、残念イケメンなネカマが出来上がったのだな。ん?ネナベか?
そんな残念イケメンなココアがテーブルの上に並べたのは、可愛いピンクの花飾り。
「ココアが付けるには小さいと思うぞ。それに似合うかと聞かれたら、俺は否と間違いなく答える」
ここは変なお世辞は言わず、本当の事を告げるのが優しさというものだろう。
「違うわよ!地味に心を抉ってくるわね」
文句を言いながら、小さなカードを差し出してくる。
自己紹介カードというか、可愛い名刺というか、名前と職業と所属クランが書いてあった。
「ヴィンのカラフル兎のパステルピンクの子に、このお花の飾りをプレゼントしたいんですって」
へぇ。職業は服飾師で装飾師でもあるのか。
服飾師ってあのアカウント削除された果林のイメージが強くて、あまり良い印象が無い。
「悪いが断ってくれ」
勝手に贈ってきて、それを宣伝に利用されても嫌だしな。
「そうよねぇ。【sechs(ゼクス)】だもんねぇ」
ココアもこちらの意図を理解してくれたようだ。
並べた2つのピンクの花飾りを袋に仕舞った。
ココアが袋を手に持った瞬間、横からオパールが掠め取って行った。
おおぉ!烏らしい行動だ!と感動したのは一瞬で、すぐに我に返る。
「オパール!人の物を盗まない!」
すっかり普通の八咫烏と同じ大きさになったオパール。
子供の成長って早いな。
花飾りの入った袋を咥えて旋回しているオパールを叱っていると、テーブルの上にプーリが乗って来た。
何とか飛べるようになったが、まだまだ雛っぽいプーリ。
大きさはついにシズカを超えて、ユキと遜色ない程に大きくなった。
カラフル兎を咥えられる程に。
って、え?
口の中にカラフル兎が居ますけど!?
驚いて固まっていたら、プーリの横にヨミが跳び乗った。
うちの子達は、基本テーブルには乗らない。
だから何かを訴えたいのだろう。
<ぎゅ!>
足ダンをしてまで、何かを訴えるヨミ。
えぇ~カオス。
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