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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した
第436話:楽しそうで何よりだな
しおりを挟む爬虫類系の四匹は、水中へ潜るのも上手いようだ。後から合流したテラと三匹が池底から石を拾って来て遊んでいる。
オパールはプーリより成長が早く、完全に飛べるようになっていた。水面を飛び回って、四匹から上手に石を受け取っている。
3本足だから器用なのかな。
トレントが水に浮くのを知った。
シズカとプーリはトレントの上に乗って、誰かに押してもらって遊んでいる。
押すのは、主にリルの係のようだな。
ヨミとネルは自力では泳がないようで、リルの頭の上に乗ってる。
楽しいのか?それ。
ユキがご機嫌で犬かきしているのが意外だった。
「いだだだだだだだだ!」
レイのアイアンクローは、セーフ機能オンでも痛みを感じるくらい、破壊力抜群らしい。
リコンスの足は完全に宙に浮いている。
まあリコンス自身がレイの手首を両手で掴んでいるから、アイアンクローだけで体が持ち上がってるわけではないからな。
思い込みによる痛みもあるのだろう。多分。
楽しそうだな、二人して。
実は仲良いのか?
リコンスはペルセポネの頃には周りから一線引かれてたから、今のような扱いは新鮮だろう。
「ナニ微笑ましいモノを見るような顔してんのよ!この悪魔を止めなさいよ!」
「悪魔ではないですね。魔族銀狼です」
楽しそうだな~。うんうん。
気が付くと、俺の横に綺麗な石が山積みにされていた。
犯人はオパールである。
正確には、テラ、ムンド、ピリリ、ハナサンが水底から拾った石をオパールが運んで、俺の横に積んだのだ。
楕円でツルリとした質感で、カラフルな石。
ちょっと宝石に見えなくもない。
てか、コレ。宝石じゃね?
宝石の原石って、普通はゴツゴツとしてパッと見、宝石とは判らないはず。
なぜ既に研磨された宝石が水底に?
そこはかとなく、犯罪臭が…………しなかった。
俺の視線の先には、対岸で池に石をポチャポチャと落としている属性オコジョ達。
「汚れた巣材を捨ててるのね」
いつの間にか側に来ていた咲樹である。
「久しぶりだな、咲樹」
「ちょっと長めの出張に行ってたのよ。会いたかったわ」
抱きしめて頬擦りしてくるのは、ちょっと止めて欲しい。
「ところで巣材って?」
オコジョが捨ててる宝石が巣材?
「属性オコジョは、自分の巣を宝石で飾り付けるのよ。まぁ、宝石って言っても天然石じゃなくて、オコジョが作成した人工石なんだけどね」
属性オコジョ達は、宝石が創り出せるのか!
言われれば、どの宝石も属性オコジョの瞳とよく似た色味だ。
「表面の輝きが失せてくると、ああやって捨てちゃうのよ。汚れてるだけだから、洗えば綺麗になるのにね」
俺の横に積まれた宝石を見る。
どれもキラキラして綺麗だ。
「オコジョ達に返すか」
一つを手に取って見ると、傷もなく本当に綺麗だ。
「返されても困るんじゃないかしら?確か新しい物と交換して捨てるはずよ」
贅沢だな!
せっかく綺麗な宝石だし、斗苫斗的か爺さんに加工してもらって、部屋に飾ろうかな。
もしくは、錬金術の素材にしてもらう?
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