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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った

第431話:本人が楽しいなら、良い……のか?

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 黄金週間ゴールデンウィークのイベントは、参加者がランダムなチームに分かれて、でリヴァイアサンを狩るものだったらしい。
 討伐系だったので参加しませんでしたよ!
 しなくて正解。
 やはり地域デシタ。

 イベント明けに、囲われていた岩山の一部が崩れて、地上からも行けるようになったそうだ。
 参加したミロが「リヴァイアサンがさ、ちょっとおかしな強さだったんだよ!」と言っていた。
 スマン。多分、うちの子達のせいだな。
 言わないけど。

「同じ地域に飛ばされたはずなんだけどさ、他のチームとは次元が違うみたいで、同じ場所に居るのに会わないっていう不・思・議。でもチャットとかは出来ちゃうの!変じゃね?ナンかちょっと楽しかった!」
 ミロが言うには、割り振りは完全に個人で、同じパーティーのメンバーとは完全に分かれて配置されたそうだ。
 楽しかったようで何より。


「で、俺ちゃんの見間違いじゃなければ、オーベの手の中に居るのはリヴァイアサンじゃね?何でイベントに参加してない人がリヴァイアサン持っちゃってんの!?」
 あ、何も言わないからスルーかと思ってたが違ったらしい。
 前フリ長いな、ミロ。いきなりイベントの話を始めたと思ったら、着地点はオーべのハナサンでした。

 いつの間にか孵化してたハナサン。
 最近の日課になっていた従魔とペット達の水遊びに、いつの間にか混じっていた。
 ピリリといい、ハナサンといい、オーベのペットは感動の孵化はしない主義なのか?
 レイのところのオパールは、皆に見守られての孵化だったのに。

 そして何となく予想はしていたが『リヴァイアサン(変異種)』である。
 鱗が虹色なのは良いとして、その虹色が動く。卵の殻にあった柄?と同じで、シャボン玉の表面のようだ。
 既にハナサンにメロメロなオーベは「綺麗だね~適度に冷たくて、いつまでも撫でていられるね~」とべた褒めである。
 そして同じだけピリリをでるのも忘れない。
 飼い主のかがみみたいなヤツである。


 30センチ位の長さのハナサンは、リヴァイアサンをそのまま縮小したような見た目だそうだ。
 本物を見て来たミロが言うから間違いないだろう。
 そしてピリリと同じで、既に言葉も話せる。
 期待していた面白口調だが、斜め上に行ってしまった。

<ワタクシ、自分で食べられますので、主様あるじさまのお手を煩わすなど>
 オーベが給餌しようとして、ハナサンに遠慮される。
 拒否では無い。あくまでも遠慮なのだ。
 性格もとても謙虚で、卑屈一歩手前である。
 ムンドと足して、2で割りたい。

「俺がね~、ハナサンに食べさせたいの~」
 オーベがハナサンの顔の前に箸で食べ物を差し出す。
 因みに今持っているのは、俺作のホットケーキりんご入だ。
<大変失礼いたしました。それではいただきます>
 パクリと食べて、モグモグとしてから飲み込むハナサン。
 見た目のイメージから、丸呑みするのかと思ってた。

<生地の甘さとりんごの酸味がとてもバランス良く、美味しいです。主様の手ずから頂けて、更に美味しさが増しております>
 ハナサン……それが素なの?それとも演技なの!?
 疲れない?大丈夫?
 見ている俺が疲れたよ。


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