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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第430話:思い込みというか、勘違い
しおりを挟むチャポン
水の中に落ちた卵。
澄んだ水は、水の中を転がって行く姿も見透せた。
リヴァイアサン用の池……と言う名の湖。
リヴァイアサンの卵がコロンと転がり落ちたら、待ってました!とばかりに皆が水に飛び込んだ。
「えぇぇえええ!?ちょ、何してる?何がしたい!?」
ドボンドボンと、全員が飛び込んで行く。
属性オコジョ達まで一緒になって飛び込んで行ってるが、大丈夫なのだろうか?
ピリリも入って行っているが、水がお湯になったりは……あ、大丈夫だな。
ユキやネルまで行ったな。
猫は水が嫌いでは?と思ったが、魔獣だった。
猫よりも兎の方が水が駄目では?とも思ったが、ヨミもシズカも全然気にせず泳いでいた。
むしろ俺より泳ぎが上手いかもしれない。
あ、ガルムだけは俺の横で伏せをしております。
さすが執事さんです。
「ガルムは行かないのか?」
一応聞いてみる。
<主と共に居る時間を削ってまで、する事では無い>
そっとガルムに抱き着いておいた。
皆が湖で遊んでいるのを眺めながら、俺はガルムにもたれ掛かってスパークリングワインを飲んでいる。
因みにオーベは、近くの木に寄り掛かって、レモンスカッシュを飲んでいる。
俺がビールやエールではなくスパークリングワインなのは、ここの雰囲気に合わせてだ。
澄んだ空気にキラキラと光る木漏れ日。
透明度の高い湖で遊ぶ可愛い……可愛いよな?うちの従魔達。
小鳥の囀りが聞こえ、近くの木々の影には動物の気配。
野生のウサギとかが居る……はず……?
角?何か立派な角らしき物が見えるのですが?
枝、では無いな。動いてるし。
ガサリと草を踏み分け出て来たのは、とてもとても立派な角を持ったシカでした。
小動物や弱い魔獣が住んでるのは知っていたが、まさかのシカですよ、シカ。
角が立派なので、雄ジカ。多分。
あれ、よくサンタクロースのソリを引くあのシカ。
カモノハシ。
「トナカイなんて居たの~?」
オーベの声が聞こえて、自分の考えを声に出さなくて良かったと思った。シカの種類を間違っていた。
それではカモノハシの見た目って?角とかあったっけ?
「カモノハシ」
ポソリと呟くと、ガルムの顔が近付いてくる。
<主はカモノハシが飼いたいのかの?この池には居らぬがどこかで捕まえて来ようか>
池?なぜシカなのに池?
あ。間違えた。更に倍!
シカなのはカモノハシじゃなくて、カモシカだ。
そして今更恥ずかしくて訂正も出来ない。
ガルムがカモノハシに反応したという事は、どこかにカモノハシが棲息しているのだろう。
ゴメン、カモノハシ。
俺のウッカリのせいで君の安穏な生活は無くなってしまったようだ。
でも、少しだけその期間を延ばす努力はしよう。
「ガルム、ハナサンが孵化して成長するまでは、池の生態は変えない方が良いだろう」
そしてそのまま、カモノハシの事は忘れてくれると助かる。
<うむ、そうだの。カモノハシは毒も持っておるし、暫くはやめておこう>
はい?毒!?
カモノハシの話だよな?
動物のカモノハシだよな?
同じ名前のモンスターがいたりしないよな?
────────────────
カモシカは鹿ではなく牛の仲間らしいですが、まぁそこはスルーで(笑)
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