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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第425話:在りし日を思う(笑)
しおりを挟む「トレント~!可愛い~!!」
不動産屋に行ったら、第一声がコレだった。
監視されているのかってくらい、毎回同じ人が対応してくれるよな。
対応というか、出迎えてくれる。
「クラン証を付けるのが嫌なの?トレント達は気にしなさそうだけど」
俺の考えと『従魔転送魔導具』が使えない事を伝えたら、不思議そうに首を傾げられた。
「チェーンにして、魔物野菜を追い掛けている時に、柵とかに引っかかって枝が折れたら困るし」
俺の言葉に、不動産屋さんがトレントの細い腕部分を指でフニフニと動かす。
弾性確認か?
「幹に埋め込んだり、釘で打ち付けるのも抵抗がある」
俺はピアスも怖くて開けられない派だ。
「まぁ従魔登録は義務だけど、従魔に何も目印を付けないテイマーも多いからね。問題は無いよ」
そういえば、ユキもシズカも何も付けて無かったな。あ、あの八咫烏も。
「で、ペットカフェの許可は取ってんの?」
「あ……」
忘れてた。
うちのペットや従魔は全てウェルカムな雰囲気なもので、つい勝手にOKだと……駄目だろ、俺。
「え~、全然良いわよ!むしろうちのトレントちゃんに会いに来てあげてね」
「何?小さいトレント!初めて見た!」
今日の店番はファラとハイネの獣人コンビのようだ。
灰色熊のハイネが持つと、うちのトレントが更に小さく見える。
いつもの席に座って話していると、アルラウネとトレントが植木鉢から出て来た。
ん?この朝鮮人参みたいなのは、まさか……?
植木鉢に目を向けると、3つとも空だった。
いつの間に動き回るようになったの?マンドラゴラ。
つぶらな黒い瞳に、ちょっと開いている間抜けな口。
え、想像と全然違う。
もっとおどろおどろしい顔だと思っていたよ。
「ちょ?!マンドラゴラが動いてる!紫蘭!早く紫蘭に連絡!」
俺の視線の先を見たハイネが驚いて叫ぶ。
「初めて見たわ、マンドラゴラ」
言いながら、ウィンドウ操作するファラ。
どうやらマンドラゴラが鉢から出たのが初だったようだ。
客達も代わる代わる見に来た。
周りの熱気に驚いたのか、三匹?三体?は早々に植木鉢へと戻って行った。
そして、うちのトレントの転移扉への登録は、まずペットのお家への登録が必要だった罠。
レイを呼び出し、転移陣屋からクランハウスへと転移。
誰か許可してくれないとトレントがクランハウスに入れないので、レイを呼び出したのだ。
あ、不動産屋さんも一緒に転移したな。
【ペットカフェ】で待っているか、一度不動産屋に戻って待っていても全然問題無いのだが、本人の強い希望である。
トレント達の登録を眺めながら、この短い期間に色々あったよな、と考えていた。
【ペットカフェ】での3鉢の発芽。
やたらと強い魔物を従魔達が狩って来る罠。
そしてその卵。
トレント(変異種)の大量発生。
更に『我が意に従え、テイム』の発動。ただし、無意識。
もうお腹いっぱいデスヨ。
コレが俗に言う『フラグの回収』と言うものなのかもしれない。
あぁ、俺だけに生えた不思議な種族スキルとかもあったな。
[第六感]と[可愛い]だったか。
種族スキルにも行動により増える物があるようだ、って誰かが予想してたな。
────────────────
[罠突破]もあったけど、他のインパクトが強くて忘れてるようです(笑)
話題にものぼらなかったしね!
応援ありがとうございます!
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