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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第424話:転移と転送と好敵手?
しおりを挟む冒険者ギルドへと従魔登録へ行き、引き攣った笑顔を頂きました。
小さいけれど成体のトレント。
しかもそれが八体も居るのは普通ではないらしい。
影からトレント達を呼び出して登録してから、トレント達を『従魔転送魔導具』で転送出来ない事に気が付いた。
実はトレント達には、クラン証を作るつもりが無かった。
木にクラン証を付けるとなると、チェーンで枝にぶら下げると行動の邪魔になりそうだし、幹に打ち付けるのはさすがに気が引ける。
本人達も建物の中には興味が無いらしく、クランハウスに入る気が無いとの意思確認をした。
戦闘に参加する事もないので、この先クランの敷地から出る予定も無かったから、クラン証は必要無いはずだったのだ。
そして予定外の外出。いや、予定外というか、俺がウッカリしていただけなのだが。
従魔登録だけは、必要だった。
ワサワサとしているトレント達を敷地に帰そうとして、『従魔転送魔導具』からエラーが出たのだ。
『従魔転送魔導具』の転送先はクランハウス限定だ。
そしてクランハウスは、クラン証が無いと入れない。
これからも何があるか判らない。
『従魔転送魔導具』の転送先の選択が出来るようになるか相談だな。
しょうがない。駄目なら、トレント達にもクラン証を持たせよう。
「また増えてる……」
『従魔転送魔導具』の取扱店へ来て、開発だか研究だかしている人の所へと来た。
主任の彼は今、脱力して机に突っ伏している。
定期的にモニターとして面会に来ているのだが、今のところ来る度に従魔が増えていた。
不可抗力だ!……と思う。
「今回はトレントだから、基本はクランの敷地からは出ない。だからクラン証を持たない予定なのだが」
俺の説明に、机に突っ伏していた体勢を起こした。
「それでは、クランハウスに入れませんね」
さすがにクランハウスとクラン証の関係を解っているな。
「転移陣のように選択式に……いや、サーバーに負荷が掛かり過ぎる。1個だけなら大丈夫でも、さすがにそれは贔屓し過ぎだ。いやでも、クラン証無しでも転移出来るようにしたら……カラフル兎が240匹居るんだった!駄目だ」
ブツブツと独りで呟き始めた。
これは放置するのが正解だろう。
多分、これ以降はトレントが敷地を出る事は無いだろうな。
従魔だけど、ペットと思って接する事にしよう。
足下でワサワサとしているトレントを見る。
見慣れると愛嬌があって、ジャックオランタンみたいな顔も可愛く思えてくる。
そうか。ペットか。
不動産屋さんに【ペットカフェ】の転移扉に登録してもらおう。
ペットのお家にも通れるように、登録だけしておけば良い。
登録したからといって、別にそこで過ごさなくてはいけないわけではない。
「トレントの件は大丈夫だ。転移扉に登録してもらう事にする」
思い付いた事を告げて、会釈して席を立つ。
「転移扉!不動産屋か!あれは場所固定だからクラン証が要らないのであって、うちの『従魔転送魔導具』が負けているわけではないですからね!」
え?
「うちのは転移先は固定だけど、転移元はどこでも使えるから仕様が違うんで!!」
えぇと、ライバル関係なのかな?
今まで気付かなかったけど、ここも中の人は運営さんなのかもしれない。
思えば、ここのお店で扱っている魔導具は、公式な物ばかりだった。
────────────────
建物に関係する物は【不動産屋】で、ここのお店は『魔導具』取扱店なのです。
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