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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第413話:悲報。見方によっては、だけど
しおりを挟む「おかしいな……」
斗苫斗的がウィンドウを眺めながら呟く。
あれからもレベルが上がり続けた斗苫斗的は、咲樹と大差無い位に高レベルだ。
因みに悪友達の中では、咲樹が1番レベルが低い。
種族と職種も多少関係あるかもしれないが、1番の理由は戦闘よりも『飾る事』が好きなせいだろう。
部屋の中や、自分を煌びやかに飾り立てている。
嫌味じゃ無く豪華?豪奢?に見せるのは、センスと知識が必要だと思う。
次点はユズコ。
ユズコの場合は、ただ単にログイン時間が他より少ない為。
夜勤のあるシフト制の為、他のメンバーと一緒にパーティーを組めずにソロで冒険に行く事も多い。
最近はうちの子達と遊びに行く事も多いようで、一時期よりレベル差が縮まったそうだ。
ログインしたら従魔達に『ユズコと遊びに行った』と報告される事もある。
俺?
俺はとっくに皆のレベルを超えていますよ。
レベルだけなら、トップランカーだよ!
「あの、ヴィンさんのステータスと比べても良いでしょうか?」
ウィンドウを開いたまま斗苫斗的が近付いて来た。
何?何?みたいに野次馬根性丸出しで悪友達も近付いて来る。
それに釣られて、意味も解らず従魔達も近付いて来た。
比べたいのはスキルだよな。
ウィンドウを開いて、種族スキル取得画面を開く。
相変わらず画面右下にある[可愛い]。
他には[身軽][木登り][潜水][回避][隠密][速度上昇][罠察知][器用][幸運][罠突破][第六感][投擲][幸福]。
運営はハーフリングをどこに行かせたいのだろう。
やはり忍者か?忍者なのか!?
「やっぱりおかしいですよ、ヴィンさん」
斗苫斗的が自分のウィンドウを指差す。
あれ?斗苫斗的は[幸運]の後が[投擲]だ。
「前にヴィンさんのステータス見て、[第六感]良いなぁって思ったんです。それなのに、それが抜けて次の[投擲]がリストに載っちゃってるんですよ」
本当だ。[罠突破]も[第六感]も無い。
「ねぇ~?何で常に[可愛い]が最後なわけ~?前見た時は[幸福]なんて無かったのに、[可愛い]の前にあるよ~?」
オーベが[可愛い]を指差す。
前に[可愛い]に逸早く気付いたのもオーベだったな。
その時に隣に何があったのかも覚えていたのだろう。
「種族スキルってレベルによって覚えるものだと思っていたが、実は行動によって増えるスキルもあったのか?」
ジルドが看過出来ない事を言ってくれたよ。
行動によって増えるスキルが[可愛い]だと?いや、他にもあるが、まずそこからだ。
「ヴィンの場合、[可愛い]は純粋にそのままでは無いのでしょうね。子供が大人ぶった行動するのが微笑ましくて可愛い……」
最後まで言い切れずに肩を震わせるレイ。
笑うなら、ちゃんと声出して笑え。
「ヴィンの口調や冷めた行動が見た目に合わず効果的に……ブフッ」
さりげなくディスった上に笑ったな、ユズコ。
「よく住人に微笑ましそうに見られてるもんね~」
俺の頭をガシガシと撫でるオーベ。
それは幻想世界だけの話だよな?現実では、童顔だが子供に見られる程では無い。
居酒屋で身分証の提示を求められる事は、偶にあるがな。
────────────────
大丈夫だ。30過ぎたら、さすがに身分証提示は求められなくなるぞ(笑)
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