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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第411話:事実とは時に残酷でw
しおりを挟む「海には行かないって約束したよな?」
ご機嫌で帰って来た三匹を目の前に並べる。
ピリリは被害者な気もするけど、一緒に居たので一連托生だ。
<海にはね~、行っていないのだよ~>
ピリリの言葉に、思わず飼い主のオーベを見る。
「いや、俺を見られてもね~」
オーベに苦笑された。
「地図!」
「はい」
どこかで地図を手に入らなきゃな、と咄嗟に叫んだのに、当たり前のようにレイが俺の前に地図を出した。
何これ。
いや、ありがたいけどさ。
目の前には7枚の地図。
『しょきしま』から『むつきしま』までの地図が各1枚と、全体図というか世界地図が1枚。
世界地図を三匹の前に広げ、どこでリヴァイアサンに会ったのかを聞く。
俺の行ける地域に居て良いレベルじゃないよな、リヴァイアサン。
クラーケンはまだ海だからセーフ。
普通は遥か沖には行けないから。
うちの子達がおかしいだけだ。
それくらいは、俺にも解る。
<ここだね~>
ピリリが指差したのは『いつきしま』だ。
<うん、ここだったよね~>
テラも同意する。
二匹の返事を聞いたレイがガサガサと『いつきしま』の地図を広げる。
リヴァイアサンが居そうな場所は無いが……。
「……未開地?」
地図の中に未開地と書かれた地域があった。
山に囲まれた地域で、某有名RPGの魔王城とか閉ざされた城とかがありそうな地形だ。
「あぁ、そこか。険しい山に囲まれているから『いつきしま』に常駐するレベルの冒険者じゃ行けないんだよな」
地図の未開地を取り囲む山をグルリと指でなぞりながら、ジルドが説明をしてくれる。
「行けるようになっても、態々戻って来ないよな!」
ユズコが笑いながら言う。
そうか。
何があるかわからないから行ってみようぜ!って冒険するには、ちょっとリスクが高いのか。
高級素材があるとか、新しい街があるとか、利がないと普通は行かないよな。
だったら『次の地域』へ進むだろう。
俺も態々自力でこの山を越えて冒険しようとは思わない。
「でもこれからは行く人が増えそうだね~」
テラから渡された卵を抱えたオーベが言う。気のせいじゃなく、嬉しそうだ。
今まで1番大きかったプーリの卵より大きいな。リヴァイアサンの卵。
それにしても今更だが、爬虫類系の卵も鳥の卵のように硬い殻だよな。
「リヴァイアサンが居るなら行くな!」
ユズコが良い笑顔でサムズアップをする。
<リヴァイアサン、首根っこ咥えて連れて来れるぞ!>
得意満面で不穏な事を言わないでくれ、ムンド。
<連れて来てどうするつもりだ、この痴れ者が!>
速攻でガルムに叱られたよ、ムンド。
<卵だけならいっぱい落ちてたよ~>
落ちてたって……テラ。
「リヴァイアサンは雌だけだからな」
出た。ジルドの雑学。
え?でもそれなら無精卵?
「もしかして孵化しない~?」
俺と同じ考えに辿り着いたオーベが卵を撫でる。
「空想上の生物だからな。俺には判断出来ん」
正論ですね、ジルドさん。
「孵化条件は今までと変わらないと思いますし、とりあえず名前を付けてみたら判るのではないですか?」
レイが良い笑顔で言う。この良い笑顔は、ユズコの良い笑顔とは種類が違う。
ちょっと黒い。
「あ~またアレか~」
そうだね。オーベが1番に魔力吸われるの多いよね。運命?
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