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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った
第410話:フラグ2
しおりを挟む「うわぁ!びっくりした!」
何も無いところで、何もしてないのに斗苫斗的が叫ぶ。
「え?うゎ、うるさ……え?いつまで鳴ってるの?」
戸惑っている斗苫斗的の声。
あぁ、レベルが上がった時のあの音が鳴ってるのだろう。
今、ここに居る子達は普通に狩っているだけだから、別働隊が何か大物を狩ったのだろう。
ヤダなぁ。何を狩ったのだろう。
〈レベルが上がりました〉
は?
俺にも聞こえた、レベル上げの通達。
ここ最近、俺のレベルが高いから聞かなくなった通知。
え?マジで何を狩ったのだろう。
<主~!大きい蛇狩ったら、皮と卵になったの~>
テラから恐ろしい念話が届いた。
え?待って。大きい蛇って何?本当に蛇?
ムンド?ムンドを狩ったの?
いや、従魔同士は傷付けられない。
あぁ!テンパってるな、俺。
「テラ達が、大きい蛇を狩ったらしい……」
俺の呟きは小さいものだったのに、全員の視線が集中した。視線が痛い。
「どこで狩ったのでしょう?わざわざ大きいと付けるくらいだから、生半可な大きさではないでしょうし」
冷静な分析ありがとうレイ。
お陰で不安が増したよ。
「こういう時ペットと念話が出来ればね~」
確かに。テラやムンドよりも、ピリリの方がちゃんと説明をしてくれるだろう。
テラもムンドも感覚派だからなぁ……。
「蛇……大きい蛇か。ナーガラージャ、ウロボロス、ククルカンまたはケツァルコアトル、サーペント、シーサーペント、ヒュドラ、リントヴルムあたりか。だがヨルムンガンドのムンドと一緒に居て『大きい蛇』だろ?居るのか?そんな巨大蛇」
ジルドの雑学が凄い。それ、全部蛇型の魔物なのだろうか。
一部、神な気もするが、ムンドやリルもそっちだったな。
「一緒に行けば良かった!」
安定のユズコ。そうだね、一緒に行ってくれていれば、今頃倒したのが何か判明してたね。
でもその前に、一緒に行ってたら倒さないで止めてね?
まずそこから間違ってるからな!お前!!
ピリリが一緒なので影から呼ぶ事も出来ず、とにかく帰って来なさいと告げた。
ドロップアイテムは、ムンドが居るので持って来るのに問題はないようだ。
卵がある事に不安を感じるが、蛇ならオーベに押し付けよう。
多分無いけど、食用卵かもしれないしな!
「やっと鳴り止んだ」
あ、まだ鳴ってたのか斗苫斗的。
レベルが100上がっても10回で済むはずなのにな。
何回鳴ったのか……とりあえず、目標達成おめでとう?
いや、種族スキルが獲得出来てなければ、まだ目標達成では無いな。
しばらくして帰って来たムンドの口から、妙にキラキラした皮が落とされた。
得意満面のテラは卵を抱えている、多分。見えないけどな、テラが。
<強かった!ピリリの炎にも耐えた!>
ムンドの目もキラキラだな。楽しかったのだろう。
最近落ち込んでいたから、まぁ元気になって良かった。
<主~卵~>
テラちゃん、マジで力持ちだな。
どうやって持っているのだろう?俺には卵しか見えない。
「それ、オーベに渡そうか」
笑顔でそう言うと、素直なテラは卵を持ってオーベの所へ向かった。
後ろから見ると、テラが卵に張り付いているように見える。
こっそり鑑定して『リヴァイアサンの卵』と見えたけど、見ていない事にした。
リヴァイアサン、蛇か?ドラゴンじゃないのか?
自分よりムンドに形が似てたから、蛇認識なのかな……テラちゃん。
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